内容説明
ある日突然、あなたの預金が消える!銀行は一円も補償してくれない…。続発する被害。進行する手口。銀行と警察の怠慢を許すな。
目次
第1章 三〇〇〇万円が口座から盗まれた(妻が余命二カ月のさなかに;百二十七回もの引き出し! ほか)
第2章 続発するキャッシュカード被害(発言し始めた被害者たち;もう一人の三〇〇〇万円盗難被害者 ほか)
第3章 進化するスキミング技術(強いられる「泣き寝入り」;犯人は逮捕されたが ほか)
第4章 日本の銀行の欺瞞(あんたはお金を盗られてない;奇怪な法律の建て前 ほか)
著者等紹介
柳田邦男[ヤナギダクニオ]
1936年栃木県生まれ。NHK記者を経て作家活動に入る。72年「マッハの恐怖」で第3回大宅壮一ノンフィクション賞、79年「ガン回廊の朝」で第1回講談社ノンフィクション賞、85年「撃墜」他でボーン・上田記念国際記者賞、95年「犠牲(サクリファイス)」などで第43回菊池寛賞、97年「脳治療革命の朝」で文芸春秋読者賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
3
人は失敗する生き物である。そのため、人間の注意力を基底とするシステムは長期間運用するのに適していない。それでも運用せざるをえないのならば、失敗したときの善後策も一緒に用意しておかなければいけない。それをせずにユーザにすべての責任を負わせるのは明らかにおかしな状況だと考えるべきである。2016/12/23
Humbaba
3
キャッシュカードは,例え厳重に管理していたとしても情報を盗まれることがある.そして,そのようなときには銀行も警察も味方になってくれない.本当のカスタマーサービスの向上とは,そのような状況で助ける方法を増やしてくことなのではないだろうか.2010/09/29
のぶ
1
マッハの恐怖、空白の天気図、往年の柳田氏のルポは綿密な調査を駆使した大作が多かったし、タイトルも秀逸だったな。デビュー作のマッハを私が目にした(がまだ読む力はなかった)のは中学生の頃だったから彼はもうかなりの高齢で(でも3・11関連で活躍してるのは凄い)、機動力減退はまあ仕方ないだろうけど、ここは辛口で書きます。本書は少数の事例調査だけで(警鐘を鳴らすためにあえて?)急遽出版した本のようです(内容も書名も)。でも(世間の関心は電話を通じた詐欺事件に移ってるけど)本書にある危うさは今も残ってるのでしょうね。2013/05/25
ミュンヘン
1
知らないうちにカードから情報が抜かれ普通預金の口座が空になり定期の限界まで借り入れされている…。こんな恐怖があるだろうか。しかも銀行も警察も自己責任と助けてくれないなんて!この事が雑誌などで明るみになってから、各社それなりに努力し、いまはまだましになっているのかもしれないが恐怖は抜けない。普通預金の口座には必要以上のお金を入れておかないことが一番良いのかもしれない…。2011/07/10
虹倉きり
0
キャッシュカードを使うことのデメリットがまとめられているのかと思いきやキャッシュカードを利用した不正利用事例集。それにしても、銀行の手のひらクルーはいつの時代も恥ずかしがらずにやれるものだ。あとがきに「時代は電子マネー」とあったが20年後はまさにそれ。銀行が願った時代に到達したものの、不正利用は続いていくのだろうな…とも思った。2024/06/01