出版社内容情報
「吉田肉腫」の発見で癌研究の道を切り拓いた、世界的病理学者・吉田富三。癌細胞を師とし、顕微鏡で考えた七十年の感動の生涯の書
内容説明
人体に飛躍なし。そして奇跡なし。癌の治療も、最終のところで「癌細胞との共存」なのだ―癌細胞を生涯の師として、その語る言葉に耳を傾け、遂に「吉田肉腫」の発見をなしとげた世界的病理学者・吉田富三。癌細胞も人間も、同じ生命の海の中に生きる仲間だと知ったとき、不可能と思われた癌研究に遙かな地平が拓けた…。
目次
第1章 蜘蛛の子よ
第2章 いのちと個性
第3章 みみず鳴く
第4章 流れる生きかた
第5章 師に恵まれて
第6章 作業仮説と人生観と
第7章 国語政策への挑戦
第8章 医療制度への挑戦
第9章 “近代生命”なし
第10章 いのちの海へ