出版社内容情報
色あせた写真のようにさだかならぬ過ぎた日々。人生の半ば過ぎにさしかかる男の心に去来するさまざまな風景を絶妙の筆致でえがく
内容説明
結婚披露宴で唯一こころひかれるのは、花嫁の父たちのかつての居ずまいを物語る、色あせたスライド写真。30年のむかし、木造モルタルアパート一間きりの新婚生活。かつての若い父は真剣そのもの、家長の気負いにみちていた。本書は、いま中年期を終ろうとする、そんな男たちの胸中を鮮やかにえがきだしたスケッチ集である。
目次
遺言
いやらしい目つき
似非グルメ
速読について
雀百まで
気くばりをすすめられない理由
血縁
父よ怯むなかれ
酒場の常連
そこそこ紳士、ときどき紳士
遊びほど怖いものはない
されどタバコ
貯金箱
内需不拡大期
死生観
“付け人”人生
休日病
風呂、散髪、医者
センター・フォーカス
病気見舞い
髪型
世襲
2代目
巧言令色
逆恨み
充電と閑居
昔気質
ああ、パーティー
マネーブーム
シルバーマーケット