出版社内容情報
軽量のハンデに泣きながら名大関と言われた男、体に恵まれながら病に泣いた男。運と不運、才能と努力、土俵はそのまま人生の縮図だ
内容説明
土俵を沸かせるのは巨漢力士ばかりではない。小兵軽量に泣きながら大鵬、北の湖以上の人気を博した貴ノ花、旭国、誠実な人柄で女学生の人気者だった魁傑の三大関。現在はともに親方として大乃国、旭富士、安芸ノ島など明日の協会を支えるスターたちを育て上げている。他に史上最年少小結の記録を作った若秩父、潜航艇岩風など。
目次
修羅の男貴ノ花(現・藤島親方)
小さな大関旭国(現・大島親方)
大関にかなう魁傑(現・放駒親方)
腹がいっぱい若秩父(現・常盤山親方)
怪力の「潜航艇」岩風
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーイチ
32
文庫は昭和の終わり。横綱になれなかった人気力士達のお話。貴ノ花世代の三人と若秩父、岩風の五人。この中で記憶に無いのが岩風。でも潜航艇の異名と共に記憶に残る力士だったらしい。いろんな人が語っている。潜航艇ってのが戦前的ネーミングで可笑しい。貴ノ花編の最後(念のため、今の貴ノ花の父親で亡くなっています)に二人の息子と愛妻・憲子の件を引いて幸多かれ風な結びが付いている。その後の若貴横綱昇進、確執、憲子さんの挙動などを考えるとある種の無常観さえ覚える。親方株の穣度、売買、部屋の経営などの系図が無いものか。続く2018/01/26
鐵太郎
5
大相撲の歴史を支えた、横綱にはなれなかった土俵の勇者たちの物語。肩書きは刊行当時(1988年)で、「修羅の男 貴ノ花(現・藤島親方)」「小さな大関 旭国(現・大島親方)」「大関にかなう 魁傑(現・放駒親方)」「腹がいっぱい 若秩父(現・常磐山親方)」「怪力の「潜航艇」 岩風」と、5人の力士たちの横顔を描いたもの。スターになった人、人嫌いで消えていった人、土俵の上で死ぬなら本望といいきった人... こういう人々によって、大相撲は支えられていたんだよね。2006/11/14
古隅田川
0
子供の頃、初代貴ノ花は嫌いだった。その人気が気に食わなかったからだ。実兄が横綱若ノ花であることは知っていたが、その現役時代を知らないので若ノ花のファンが弟を応援していることも、偉大な兄の存在が弟を苦しめていたことも知らなかった。この本で様々なエピソードを知り、嫌いではなくなった。旭国のニックネームは相撲博士とピラニア。努力と辛抱の人だ。見習いたい。魁傑は元柔道選手。相撲への転向の経緯は知らなかったが、この本で随分、強引な勧誘があったことを知った。入門時の経緯を引きずらず、よく割り切って大関になったと思う。2022/12/01
-
- 洋書
- PASSE-MOTS