出版社内容情報
仮装して出かけたいベネツィアの祭、星を探した山の一夜、サーカスの娯しみ、そうめんと冷や麦の違い論争等、心踊るコラムが49篇
内容説明
パウル・クレーの絵に感激の涙がポロリ、男のおしゃれにチクリと一言、不思議なある夜の体験、春一番の大好物の話、エイズの行方を案じる、星空を眺めながら味わったシャーベット・ビール、宝物は恐竜の卵の化石、おでんの思い出、自動車教習所の体験…。いま心がわくわく魅きつけられることを、素顔で語る49のコラムがぎっしり。
目次
クレー色の思い出
けどものこども
明けまして、サーカス
エイズ・エイジ
記憶のネットワーク
されどベンツの男
馬の方が、ずっといい
水上レストランの惨劇
夜のバレリーナ
言葉のサトゥルヌス〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hana.
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幼い子供までもが訳知り顔でパソコンの前に座っているような時代に、この好奇心、探究心はいったい。文庫版で1992年、単行本は1988年の出版だがさして問題ではあるまい。日本の社会をチクリと針でさしながらも、自らは心の赴くままにどこへでも駆け巡る。どうしたらこんなにも自由になれるのか。どうしたらこれほどの好奇心を抱えたままでいられるのか。そしてそれを羨ましいと思ってしまう自分は、なんてちっぽけでつまらない人間なのだろうか。しかし、こうしてクラウン役を自ら買って出てくれる人が何人いても、社会は何も変わらない。2013/12/31