文春文庫<br> 文福茶釜

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文春文庫
文福茶釜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 264p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167447069
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

古美術でひと儲けをたくらむ男たちの騙しあいに容赦はない。入札目録の図版さしかえ、水墨画を薄く剥いで二枚にする相剥本、ブロンズ彫像の分割線のチェック、あらゆる手段を用いて贋作づくりに励む男たちの姿は、ある種感動的ともいえる。はたして「茶釜」に狸の足は生えるのか?古美術ミステリーの傑作。

著者等紹介

黒川博行[クロカワヒロユキ]
1949(昭24)年愛媛県生まれ。京都市立芸術大学を卒業後、高校で美術を教え、86年『キャッツアイころがった』で、第4回サントリーミステリー大賞を受賞、作家活動に入る。96年に『カウント・プラン』で第49回日本推理作家協会賞受賞。大阪を舞台に、軽妙な語り口の中にも、産廃問題や北朝鮮関連の社会的テーマを取り込んだハードボイルド・ミステリーに独自の世界を持つ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

修一朗

132
茶杓というのは節がどうでそりがどうのなんてことは一切関係なくて誰が作ったかだけの評価なんだそうだ。美術品の評価は主観的で難しい。書画の相剥ぎというのを初めて知ったので写真を見て感心してしまった。堆肥に半年ばかり埋めて時代を付けるだとか震災時は古美術品放出が一気に増えたとか「考える人」は「地獄の門」の一部だとか元代の陶磁器なんて現存するだけで国宝モノだとか,ホント感心してばかりだ。5作とも贋作で騙そうとする人しか出てこない。どれも面白かった!難しそうだけど古美術品に興味が沸きます。早速次「離れ折り紙」へ。2021/04/24

遥かなる想い

98
古美術で一儲けをたくらむ男たちの短編集である。誰もが怪しく 悪人であることに 迷いのないのが心地良い。 偽物とお金満載のこの作品、美術に見識が ないので 価値がわからないのが残念。 偽物が溢れているという普段縁のない 世界を覗いている印象の読書だった。2024/02/01

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93
🌟🌟☆☆☆。¥110。積読本。黒川さん2冊目。タイトルに惹かれて選書、………したもののコレは黒川作品上級者向けのかなり手強い作品でした。言わんとしている面白さは解るけれど骨董美術鑑定の専門知識と難しい漢字の羅列で草臥れて最後の話は読むのやめました。コレは黒川作品を3〜4冊読んで耐性をつけてから選書しないと一冊目からコレを選ぶと黒川博行嫌いになってしまう可能性が高い。俺も黒川作品、当分選書しないかも。2022/07/20

サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥

86
骨董・古美術品をテーマにした短編ミステリー。もちろん黒川さんの作品だから悪い奴らしか出てこない。贋作、相剥ぎetc。贋作にも色んな手口があるのだなぁと感心した。古ぼけた掛け軸や茶碗が何百万、何千万円にもなる世界。騙した貴方が悪いのか、騙された私が悪いのか?素人が手を出す世界じゃないよね。短編だからあっさりしているが面白かったです。★★★+2020/03/07

にいにい

74
久々の黒川博行さん。今回は、美大を卒業し、美術教師の経歴をお持ちの黒川さんが得意とする美術品関係のドタバタ。古美術、骨董と切っても切れない「贋物」を絡めて、欲の皮が突っ張った狐とタヌキの騙しあい。興味深くさらっと読める。ただ、黒川さんは、やっぱり、長編の方が、手に汗握って、好みだな~。表題作の「文福茶釜」がこの連作短編5篇の内で最も気に入った。2015/10/23

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