出版社内容情報
人生の四季に出会う喜び、悲しみ、楽しさ、尊さへの賛歌──王道を行くエッセイおよそ三千篇のなかから厳選された正統派の文章読本
内容説明
一般参賀で超望遠のレンズを構え昭和天皇の右手をとらえ手相を見てもらった写真家の話「昭和天皇の手相」、演奏旅行に携える楽器をめぐってのほのぼのとしたエピソード「チェロと旅」etc。ユーモアとエスプリ、そして時に哀感に満ちたエッセイが時代と世相を背景に私たちに語りかけてくれる。’89年を代表する68篇の正統派文章読本。
目次
父の転勤
大通り公園の詰将棋
カナヅチ握った建築学者
チェロと旅
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おとん707
13
’89年に雑誌や新聞や業界報や同人誌などに発表されたエッセイを翌年ベスト・エッセイ集として出版したもの。作家、学者、俳優、音楽家を始め一般の人も含めて選んだもの。通して読むと世間での人物評とそのエッセイの質は必ずしも比例していないのがよくわかる。その人物の社会的視野がそのまま反映されている感あり。面白いものでは白洲正子が魯山人を殴った話とか、松本幸四郎(現白鴎)と中村吉右衛門兄弟の母は女ゆえ歌舞伎役者になれなかったが舞台の度に幸四郎と吉右衛門にダメ出しをしていた話とか。また戦争を知る人達の戦時回顧は重い。2025/02/18
ふぃえ
2
時間潰しにはなりました。2021/05/15
Hal
1
「ビールの栓」、「大学村の「おとな」たち」、「自分のなかの他人」、「蓄音機」あたりが印象に残った。1989年、平成元年というよりは昭和末期の時代観。書いてるのが年配?の人ばかりだからか。自分がこの歳になって何が書けるだろうか。30分しか入らないレコードを厳選して友人達と持ち寄って開催する鑑賞会、いいなあと思ってしまう。2025/05/06
クジラ
1
バブルの頃、90年代。この頃のエッセイを読むと、お金の匂いを感じることが多いが、この本にはあまり感じなかった。仕事を一生懸命する人の姿に感銘を抱くエッセイが多かった。仕事に悩んでいるからか・・・。2013/01/05