出版社内容情報
戦略的思考とは何か。そして歴史の教訓とは──。海戦を子細に検証していく時、そこには「海洋国家」日本の自画像が浮かび上がる
内容説明
戦略的思考とは何か。そして歴史から汲み取るべき教訓とは―。戦史研究の専門家である著者が、幕末から太平洋戦争までの近代以降わが国が関わった海戦、さらには第二次世界大戦後の世界各地における海上兵力の行史を子細に検証。日本の本源的条件は「海洋国家」であるとの認識に立ち、日本人と海、更に「シーレーン」の意味を説く。
目次
第1章 日本開国と北太平洋の海戦
第2章 日清戦争と黄海海戦
第3章 日露戦争のシーレーン防衛
第4章 日本海海戦
第5章 ドイツ太平洋艦隊との海戦
第6章 地中海のドイツ潜水艦戦と日本
第7章 ハワイ海戦
第8章 ミッドウェー海戦
第9章 マリアナ沖海戦
第10章 比島沖海戦
第11章 太平洋戦争のシーレーン防衛
第12章 第二次大戦後の海戦を考える
第13章 戦後の日本海上兵力を考える
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yk_yosuke
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日本は、地政上北西太平洋の制海権維持・確保に重要な立地、また資源確保の為にシーレーン防衛が必須。日本海海戦の大勝で大艦巨砲に傾斜、第一次大戦の戦訓=シーレーンは軽視。制空権・確保、潜水艦の通商作戦、敵戦略爆撃の対策も重視されず、対米戦での敗因となる。2016/11/23
ねおふ
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キーワード 海洋国家2010/12/31
はるたろうQQ
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日本海軍の、大和型のアウトレンジ戦法の評価が書かれている。敵は避弾運動をするので、机上演習とは違い上手くいかず、仮に望んだように艦船決戦になったとしても期待した結果は得られなかったという。肉を切らせて骨を断つのが真理のようだが、それでは艦船の建造能力=国力が鍵になり、英米相手に戦争はできないとの結論しか出ない。海軍の存在意義も怪しくなる。このため考え出されたのがアウトレンジ戦法なのだろうが、実戦でその無効が証明されたという。合理的に考えると軍部の存在意義迄行きかねないので精神論に傾斜するしかなかったのか。2018/05/06