内容説明
昭和を駆け抜けた女たちは恋のみならず、仕事、芸術、社会、子育てなど、打ち込むべきものをしっかりと持ち、波瀾に富んだ毎日を懸命に生きた。夫の浮気や離婚も気にしない。戦争という歴史的な大事件も乗り越え、更に輝きを増す彼女たちの言葉には、自分らしくしなやかに生きるノウハウがあった。15人の達人が語る、女の決断。
目次
鈴木真砂女―恋は決断力
北林谷栄―本当のことだけ言うこと
飯田深雪―明治のバターは香りがあった
岡本宮染―文弥との五十年
吉行あぐり―頭のどこかが破けてるのかも
小沢さくら―食後の賛美歌
丸木俊―絵描きになって良かったよ
櫛田ふき―未亡人というレッテルをはがして
坂倉登喜子―思い出を残して歩け
長岡輝子―私、損することに決めてるから
斎藤史―いのちさらしきること
観世寿弥―能の家では女は雑用でございます
加藤シヅエ―産む、産まないは女が決める
三木睦子―元首相の妻を超えて
鍛冶千鶴子―私が選んだ道ですもの
著者等紹介
森まゆみ[モリマユミ]
1954年(昭和29年)、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。地域雑誌『谷中・根津・千駄木』編集人。98年『鴎外の坂』(新潮社)で芸術選奨文部大臣新人賞受賞。2003年『「即興詩人」のイタリア』(講談社)でJTB紀行文学大賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
22
ほとんど知らない人ばかりでしたあり、インタビューなのであっさり書かれていますが、それぞれの人が自分の考えや感覚を大切にしていることが伝わりました。見習う部分は多いと感じました。2023/11/15
キムチ27
4
「私は私・」と先に読んで、こちらを読んだせいか、ぐっと生彩を欠いている。まぁ、森さんのシニカルと云うか屈折した柔軟な鉾がぐいぐいついているので、本人の心情を語っていただいている感がする。 私の母も同じ、明治生まれの昭和人。しかし、本人からするとコアに、明治、大正がずしんとあった。 今、『平成からいう「昭和の空気」』でいえば、この本も昭和の怪女でなく「明治生まれの」それと云う気がする。2013/01/02
てくてく
3
鈴木真砂女以下15人のインタビュー。著者のインタビューの腕前が見事なのか、それぞれが生き生きと自分のことを語っていて面白かった。鍛冶千鶴子さんの「私が選んだ道ですもの」というのがとてもすがすがしかった。2014/10/27
石橋
3
明治・大正の女の圧倒的存在感に比べて、昭和の女はなんだかしょぼい。森まゆみのインタビュー力不足もあるかも。はっとするものがなかった。2009/10/10
minya
1
図書館で借りました。 森まゆみのものは、未読ならとりあえず、読みます。外れが少ないので。女性について書かれたものには、たまに肩に力が入りすぎて読み辛いものもあるけれど、これはそんなこともなく、スイスイ読めました。まぁ、インタビューだしね。でも「ぜひ我が家の本棚に!」と思うような、『鴎外の坂』みたいな傑作が読みたいなぁと思ってしまったのが、正直なところです。2013/08/13