文春文庫<br> 恋文のおんなたち

文春文庫
恋文のおんなたち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 222p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784167420024
  • NDC分類 914.6

出版社内容情報

戦後まもなく下宿業を営んでいた著者の家には、心優しき娼婦たちが集まっていた。名作『恋文』に至る過程を初めて明かした好読物

内容説明

戦後まもなく下宿業を営んできた著者の家には、心優しき娼婦たちが集まっていた。彼女たちの悩みを幼時から聞いて育ったことが、後年女性心理を描くにあたって役立ったのか。―名作「恋文」に至る過程を初めて明かしたエッセイ類に林真理子・奥田瑛二両氏との対談、短篇小説連作を加えて贈る人気作家のすべて。

目次

水の流れに
聖娼婦
母の手
わが花鳥風月
花を買う
眠れなくなる本
泡坂妻夫―活字づくりの寄席
カタカナ世代の漢字の“恋”
映画と原作
トリュフォーへのオマージュ
「乱」―黒沢映画で初めて見た〈人間の顔〉〔ほか〕
対談(林真理子;奥田瑛二)
小説 女たちの小景(秋の風鈴;冬のコスモス;春の手袋;夏の陽炎;運命のいたずら)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

28
連城さんの珍しいエッセイと対談それと短篇が5つ収められていて薄い文庫ながらなかなか中味は結構なものがあります。エッセイについてはご自分の父親や母親のことなど結構身近なことなどが書かれていて氏の育った境遇がよくわかります。短篇のような感じもします。対談は林真理子さん、奥田瑛二さんで結構ある意味で面白い感じです。2015/02/25

マヌヌ2号

4
作家・連城三紀彦のエッセイ、対談集、掌編などを詰め込んだ一冊。最も印象的なのはエッセイ、とりわけ連城とその母についての記述でしょう。何ともこの母が個性的な人物で、幾人もの人間が出てくる本書の中でも、一番の存在感を持っているように感じられました。「母の背中」~「幻のニューヨーク」の流れは惚れ惚れするほどに素晴らしかったです。他だと、ある魅力的な話の設定が語られる「眠れなくなる本」が心に残ってます。このアイデアで長編書ける。掌編5編の中では、「冬のコスモス」がダントツですごい。小道具の使い方がクソうまいですね2017/11/05

harukawani

3
エッセイ、林真理子・奥田瑛二との対談、短編5編を収録。小説は、小粒だけど「秋の風鈴」のような余情のある良作は好き。で、この本の読みどころはやっぱり主役のエッセイ。母親や父親との関係を綴ったものが多いが、この経験から数多の傑作恋愛ミステリーが生まれたのだと思うと感慨深い。特に母親との関係は、後年の連城さんのことが偲ばれた。あと、エッセイにも連城ミステリっぽさがあって面白い。一方、対談、特に林真理子との対談は…(苦笑)話が噛み合ってないし、「そんなことまで言っちゃうの?」感がすごい。ある意味面白い。2015/03/28

浅木原

2
エッセイと対談と掌編5編。掌編は『一夜の櫛』『背中合わせ』の収録作と同系統の小品だけど、息子夫婦の夫婦喧嘩を心配する姑の話「冬のコスモス」が捨てがたい佳品。「秋の風鈴」「夏の陽炎」もけっこういい。エッセイは連城の育った家庭環境が垣間見え、こういうことなら晩年に母親の介護でなかなか小説書けなくなったのも仕方ないのかなあと思う。他は連城小説は日常への観察眼から生まれてるんだなあというのがよくわかるエッセイ。あと林真理子との対談は話が全然噛み合ってなくてわろた。2014/10/04

お笑いループシュート

0
連城三紀彦が直木賞を受賞した前後のエッセー集。冒頭の奥田瑛二が連城氏と飲みあかした夜明け前の原宿を歩いてる時にタンポポの茎で笛を吹こうとした話が良かった。エッセーなのに、どことなく連城作品の香りがしてくる。この頃の連城三紀彦が文壇でどういうポジションだったのかが垣間見える。2016/10/22

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