出版社内容情報
死語──消滅したキーワードの背景を探ることにより世相が浮かび上がる。「不良」「実年」など消えた言葉で知る日本の社会構造の変貌
内容説明
「不良」「便所の火事」「団地族」「三角ベース」「夜汽車」等々、消滅した多くの言葉。平安朝以来、江戸中期まで日本語に著しい変化は見られなかった。しかし十九世紀半ば以降は驚くばかりの様変わりとなる。今日そのスピードはさらに増している。これら失われた言葉の背景を探ることにより日本の社会構造、世相の変化を読み解く。
目次
1 死語を通して何が見えるか
2 死語とその背景(遊ばせ;E電;粋衆;いとこ;印;院外団;乳母車;噂供養;駅弁大学;大銀杏 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
邪馬台国
9
消えていった言葉たちを著者が一つづつ拾い上げて、解説つきで紹介。辞書でどう扱われているか(そもそも載っているのか)、由来はどこなのかまで掘り下げてあるので表面的に馴染みのない語彙に触れるだけでなく、言葉を通じて近現代の風俗が浮かび上がってくるのが面白いです。現代も生きている(復活した)言葉も結構あったり。2017/01/21
Gen Kato
2
職業野球、外遊、ブルー・フィルム、細君、洋モク、探偵小説、夜汽車… 味のある「近代語」という気がします。「鍋奉行」「大掃除」や「乳母車」「大銀杏」は個人的には「生きた」ことばですが。2015/09/09
砥石
1
たびたび出現する「美しい日本語」それらとの出会いを求める人間が文中で紹介されるが、この本を読めばその気持ちもわかるというものだ。本当に美しい言葉が、ここにはある。2014/03/21
のんき
0
1998.6.10 第1刷