内容説明
初めて行ったロードショーは何だったか?少年が大人になる夏の映画といえば?夫を取られる役を演ると女優はだめになる?映画が映画を呼び、時代を語り、歌を誘う。法廷ものの変遷、スポーツ尽くし、SF超大作からB級西部劇まで、いずれ劣らぬ3達人が語り明かしたとびきり贅沢な12夜。
目次
すべては映画館からはじまった
43年目のマーズ・アタック!
夏の終わりのボーイズ・ライフ
東西サラリーマン物語
野球場が呼んでいる
クリスマスが待ち遠しい!
スクリーンのなかの酒場で逢おう
スポーツの時間
法廷から正義が消えた
悪妻は良妻を駆逐する
あの町この町
大スターがいた
著者等紹介
和田誠[ワダマコト]
1936年生まれ。多摩美術大学卒業。イラストレーターとして「週刊文春」表紙、似顔絵、装幀などで活躍。『お楽しみはこれからだ』シリーズ、『いつか聴いた歌』、マザー・グースの翻訳、絵本など著書多数。「麻雀放浪記」をはじめとする映画の監督としても知られる
川本三郎[カワモトサブロウ]
1944年生まれ。東京大学法学部卒業。朝日新聞社勤務を経て評論家に
瀬戸川猛資[セトガワタケシ]
1948年生まれ。早稲田大学文学部卒業。在学中から海外ミステリ評論を執筆。80年にトパーズプレスを設立、双葉十三郎『西洋シネマ大系ぼくの採点表』シリーズの編集・出版を手がけ、雑誌「BOOKMAN」の編集長を務めた。99年3月16日没
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感想・レビュー
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kinkin
48
和田誠、川本三郎、瀬戸川猛資の映画通がそろうとこんなに話が盛り上がり絶え間なく映画のタイトルが出てくることに驚いてしまった。最近の映画はともかく各人、公開当時映画館で観たはずだ。そのディテールをすらすら出てくることが凄い。DVDのおかげでいつでもどこでも映画が楽しめる時代だが、映画本来の大きなスクリーンで多勢で観る機会が減ったことは残念。この本のいいところは映画をA級、B級分け隔てなく紹介しているところだ。懐かし映画のトリビアも随所出てきて観たことのある映画のことはついニコニコしてしまう。^ ^2015/07/04
KAZOO
10
わたしの大好きな映画の話が詰まっています。和田さん、川本さん、瀬戸川さんそれぞれに一家言を持った人が我も我もと自分の好きな映画についてしゃべってくれます。瀬戸川さんが亡くなられているのは残念ですが、3人でこれだけの長い対談をするというのはやはり本当に映画が好きなのだなあと感じます。読んでいて楽しくなります。2014/04/07
FK
8
鼎談集。映画が好きで堪らない人たちが集まって、その蘊蓄を披露し合うといった本。ともかくよく観ている。私などには初めて聞く映画名ばかりといっていいだろう。幸いというか、さすがというかその索引もきちんと入っている。辻邦生のあとの二冊の映画のエッセイ集のような無様なことはしていない。同じ出版社なのに。編集者が違ったからか。コストか。この本を再び手にするのは(文庫本になっている)、この先余程映画を観てからのことになるだろう。要するに、彼らの話に今はついて行けないのだ。2019/12/28
magurit
6
二読目。深夜映画を見ていて、つい。2009/01/01
fritzng4
4
勿論テーマを事前に決めているわけだから話したいことや取り上げたい作品など事前に準備はしていたのだろうけど、有名作品から全く知らない作品まで映画のタイトルが出るわ出るわ。博覧強記というのはまさにこのこと。ちょっと放談っぽくて取り止めなくもあるがそもそも映画について語り合うこと自体の面白さが横溢していて読んでて嬉しくなってしまった。早世した瀬戸川さんに向けての川本三郎のあとがきの文章が泣ける。瀬戸川さん、死の床で「早く伏せろ、撃たれるぞ」とうなされていたらしい。自分もそんな風に最後まで映画小僧として生きたい。2024/11/25