出版社内容情報
16世紀大航海時代、東洋植民地化の拡大をねらうポルトガル王の野望を託された冒険的宣教師、フランシスコ・ザビエルの行動と挫折
内容説明
ヨーロッパ大航海時代の1549(天文18)年、日本布教という崇高な使命を帯びたイエズス会の宣教師聖フランシスコ・デ・ザビエルが鹿児島に上陸した。彼は室町末期の戦乱に明け暮れる複雑な社会情勢にある日本で、旺盛な布教活動をして2年後に離日した。冒険的宣教師の足跡と人間像に日本人の側から光を投げかけた異色作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エドワード
19
ザビエルは日本にキリスト教を伝えたことであまりにも有名である。彼はスペインの辺境、バスクの生まれ。パリで神学を学び、ロヨラとの出会いが運命を変えた。東洋への布教、それは<胡椒と救霊>と呼ばれるように、拡大する植民地政策と密接につながっていた。そのことをザビエルが知らないはずはない。だが彼は日本人と接触するうちに、この文明国への布教は非常に困難だが必ず実現出来ると信じていた。日本へ派遣する人材は慎重に選ぶよう進言した書翰、だが配慮を欠く宣教師により秀吉らの不信と受難のキリシタン史を招いたことが胸を打つ。2015/01/26
さっと
3
まるまる一冊ザビエルかと思いきや、ほかにも何点か紀行っぽいものが入っていました。なんだよぅ。というわけで、ザビエルの生涯がさらっとまとめられています。「救霊と胡椒」という言葉は忘れません。2011/03/20
マサ
2
ザビエルの故郷、ザビエル城を訪れた話が「街道をゆくー南蛮の道」(司馬遼太郎)にもあったような気がする。紀行ものは面白いな。バスク地方は一度行ってみたい。2015/03/13
SABA
1
歴史探訪をしながら旅ができるのは羨ましい。この本でハイアライというスポーツを知った。ザビエルが若い頃熱中していたらしい。2022/12/24