感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
June
25
ギリシャが舞台の上巻は、主人公・満典の鬱屈のせいかつまらなくて、なかなかページが進まなかった。下巻で日本に帰国してからは一気にページを繰った。満典が前妻と再会し行きつ戻りつしながらも気持ちが前進しはじめると、全てがいい方向に動き出し、希望に満ちた結末に向かうのが嬉しい。愛した男性の揺れ動く心を見透しながら、彼が再生するのを静かに見守ることのできるエフィーという女性は魅力的すぎる。どんなに深い哀しみに直面しようと世界は常に廻っていて、知らず知らずのうちに自分も周囲と一緒に動き出しているのかもしれない。2016/11/07
あい
19
下巻は主人公・満典の〈蘇生〉の物語だ。何か劇的なことが起こって〈蘇生〉するのではなく、彷徨い悩みながらも、信じることによって、満典の人生に希望が差し込んでいく。信じるとは何かに頼り、すがるのではなく、現実に心で実感できるか否かなのだと思う。満典のように私もひどく傷付き、何かしらあると思い出してしまうことがある。だが、「傷を受けない人生なんてないのだから、要は、どうやってそこから蘇生していくか。それも出来るだけすみやかに、より良い形で蘇生するか……。」との一文を読み、踏ん切りをつけるための勇気をもらえた。2014/12/12
凡人太郎
18
どんな問題や不幸も,時が解決するってやつですね2015/07/04
rikako
8
自暴自棄になって逃げても、逃げ切れるものじゃないんだよね、人生なんて。極論言っちゃえば死ぬしか逃げ切る方法はないんだろう。ここまで色々あると、最後の20ページくらいは「何事もなく、このまま終わって!」と願うばかりだった。後味のいいお話。2013/04/21
おらひらお
7
元妻と今の妻との間で揺れうごく主人公。もともと相思相愛で結婚し、子供の死で破綻してしまった夫婦だけに、時間が経過して落ち着きを取り戻すとお互いが大切であると認識してしまうところは理解できますね。でも、それぞれの道を歩みだしていきます。2016/10/10
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