出版社内容情報
直腸癌で手術を受けた日赤病院外科部長が自らの患者体験を通して医のあり方、癌告知の是非、生死観等を綴った心暖まるエッセイ集
内容説明
“深夜、なに気なく手に触れた左下腹部のシコリ。はっとしたとたん眠気はふきとび、冷汗が…”50代半ばで大腸癌にかかった日赤の現役外科部長が綴った自らの患者体験―手術を施す側から受ける側に立たされたが故に見えてきた、医療のあり方、癌告知問題、生死観など。清々しく、心暖まるエッセイ集。
目次
第1章 医者が癌にかかったとき
第2章 死に方の知恵―癌に倒れた医師たち
第3章 患者に学ぶ
第4章 いのちを見つめて
エピローグ 二つの死の光景
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あこ
9
20年程前の医師のエッセイ集。第一章は自らのがん体験談。第二章『死に方の知恵』では、患者としてがんと向きあう時、医師も患者と変わりないこと、それは、死を受容する姿勢においてもそうであることを教えてくれる。結局は個人の人生観、死生観にもとづくのであれば、いつか訪れる死を遠いものとせず、みじかに考えたり感じていくことが大切だと思う。第三章『患者に学ぶ』では、看護の本質についても考えることができるだろう。第四章で印象に残ったのは、「生卵でキャッチボール」のコミュニケーション。2014/08/05
梅干し夫人
1
親族に癌で亡くなる人が多く、自分もいずれそうなるかもしれない・・・と思って読んだ。痛みは約8割の人が感じるというし、正直怖いんだけど、人間の体を知り尽くしているお医者さんでも勝てない、防げないものならば、もし癌が発症しても運命を受け入れるだけだ、という気持ちになった。それが私の寿命ということだ。2015/08/16
しまん。
1
高々20年前にも関わらず、医療技術の進歩もあり、告知や癌に対する考え方が大きく変わっていることに驚かされた。ただ医療や患者に向かう姿勢というのは変わっていないように思えたし、変わっていてほしくないとも思った。ビアフラ内戦での救護活動でのエピソードが特に印象に残りました。2011/10/03
こえん
0
再読。2010/10/20
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