内容説明
おれがはじめて人を殴ったのは中学三年の春。そしておれの人生の進むべき方向の何かが少し変った―。喧嘩。青春の輝きと苦悩が弾けとぶ瞬間!恋が、友情が、男としての自我が芽生える季節、“おれ”の中学から大学までのさわやかで、ぎらぎら熱くて痛い黄金の日々を、清冽に描ききった青春文学の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
59
喧嘩ばかりしていた青春時代をある種の感慨をもって描いた本である。喧嘩のシーンの描写は 思い入れがあるせいなのか 迫力満点であるのに 比べて、それ以外の風景の描写は たんたんとしており、軽く読める読み物になっている。喧嘩が ひとつの 友達づきあいであったころが確実にあった、ということを、喧嘩をしながら 成長していくという面が 確かにある、ということを我々に伝えてくれるそんな 本である。2004/01/01
キク
20
男子校出身なので、椎名誠の硬派で熱い青春時代の私小説が大好きです。今はすっかり「優しいジイジ」になってる椎名の若かりし喧嘩に明け暮れていた頃の自伝。その年代でしか出来ないことって確かにあるんだと思いました。きっと、今も今しかできないことがあるんだから、大事に日々を過ごしたい。2020/11/27
たーくん
8
再読。おれがはじめて人を殴ったのは中学三年の春。そしておれの人生の進むべき方向の何かが少し変った―。喧嘩。青春の輝きと苦悩が弾けとぶ瞬間!恋が、友情が、男としての自我が芽生える季節、“おれ”の中学から大学までのさわやかで、ぎらぎら熱くて痛い黄金の日々を、清冽に描ききった青春文学の傑作。 2017/09/03
みん
4
人を殴ることのできる男の青春時代の日記のようなお話。シチュエーションが読んだことがあるなぁと思ってみれば、たぶん椎名氏の本は、これが最初ではないようですね。青春というのは誰にでも黄金色に感じるものですが、そのさなかでは、いろいろ悩み、葛藤していくもんですね。喧嘩をするシーンが何度か出てきて、私的には嫌いな部類に入りそうです。しかし、自分の部屋を作ってみたり、家を飛び出してみたり、そんなところは自分にも似たようなことがあったなと、納得の一冊です。2012/07/16
けいちゃっぷ
4
シーナの自伝的私小説でSFではありませんが、これはいいよー。2008/11/06