内容説明
「八郎よ、必ず家を再興するんじゃ。忘れるでなあぞ」岡山、浦上家の家老だった勇将・宇喜多能家は謀叛の廉で自死する際、孫に言い遺した。長成した八郎は、辺境の一城から先見と奇策謀術でのし上がり、秀吉の天下取りに貢献、子の秀家は秀吉の養子となり、時代の寵児として名を馳せる。乱世の風雲に身を曝した宇喜多家興亡の譜。
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
昭和4(1929)年、和歌山市に生れる。東北大学法学部卒業。昭和53年「深重の海」により第79回直木賞受賞。主な著書に「闇の蛟竜」「南海綺譚」「明治撃剣会」「薩南示現流」「黄金の海へ」「雑賀六字の城」「巨人伝」「宮本武蔵」「虎狼は空に」「独眼流政宗」「下天は夢か」「乾坤の夢」など。史料を十全に分析する闊達な史観から旺盛な創作活動を続けている。「夢のまた夢」で平成7年度の吉川英治文学賞を受賞
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感想・レビュー
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優希
48
宇喜多家の興亡の歴史が描かれていると言って良いでしょう。タイトルは「秀家」とありますが、あまり登場せず、直家の活躍の方が目立っていたような気がします。2023/01/06
GaGa
36
しかし、日本の戦国時代とは凄まじかったようで、関ヶ原とか長篠などのメジャーな戦ならいざ知らず。中国地方の小豪族同士の歴史に重要でもない戦いで、二千も三千も死者が出ている。戦国時代って、日本、どのくらい人口があったのだろうか。タイトルは宇喜多秀家だが、その父である梟雄宇喜多直家から、秀吉などの視点も盛り込んでいるのでボリュームたっぷり。コアな歴史小説好きにはお薦めできます。2012/10/24
Syo
26
う〜む。 秀家というより…。 というか、 なぜ秀家がってことか。 凄い。2021/01/27
Mark X Japan
3
秀家はなかなか登場しません。宇喜多家の栄華盛衰についてですが、直家の時代が黄金期でしょう。秀家は、何を思いながら晩年を過ごしていたのでしょうか。☆:3.52015/10/25
hit4papa
3
数値の羅列や、一騎打ち等の枝葉末節の戦闘模様等、歴史的な資料が、淡々と記述されているおり、物語性が薄い印象を受けます。歴史小説の醍醐味は、動かせない事実において、如何に主人公への感情移入させるのかと思いますが、本作品ではこれができませんでした。ただ、秀家が、何故、豊臣政権下で出世し、五大老のひとりとなったかはよくわかります。これは収穫。会話がお国言葉で交わされるのも、新鮮さがあってよいですね。