出版社内容情報
八人もの部下が絞首刑になりながら、なぜ所長だけ命びろいできたのか。戦中の異常状況下における人間の尊厳を問うノンフィクション
内容説明
極寒と栄養失調と虐待のため、大量のオーストラリア兵が死亡したとされた直江津捕虜収容所では、BC級戦犯裁判で8人もの職員が絞首刑になった。ところが所長だけは、12年間の獄中生活の後、釈放されている。なぜ彼だけ命びろいできたのか?埋れた事実を丹念に拾い集めて真相に迫るノンフィクション。
目次
足をもがれた少女
遺族たち
最後の民謡
河原の枯れすすき
チリ紙のてるてる坊主
35年目の便り
戦犯裁判
証言台にて
捕虜をかばった人
所長の記録
戦争後遺症
オーストラリアの捕虜たち
軍事郵便のプロポーズ
貝になった男