出版社内容情報
愛において、あらゆる変形された情熱が、真に興味を抱きうる唯一のものである、という著者が実験的手法で少年愛を描く書き下ろし長篇。「真夜中の天使」の姉妹篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くたくた
51
○十年ぶりの再読。これは、風間視点の今西良への妄想の書。この本の中に良本人はどこにもいないのだ。偶像化され周囲の崇拝者から勝手にイメージを与えられたアイドルとなった青年の真実の姿やその思いが語られることはない。ひたすら周囲の身勝手な妄想とさや当てと嫉妬。その不毛なエネルギー量がもの凄い。当時のアイドル論、音楽論を反映した作品としても凄いものだったのだろうな。最後に劇的に破壊的な手段に出る良の胸の内を聞くことができるのは、『朝日のあたる家』までお預け。すでにグループを去っている森田透は名前のみ登場。2022/05/20
honoka
38
これは持って行かれてしまう!読んでいる間、自分は風間になっていた。現実に戻れない〜〜これから仕事なのに…そして下巻持って来ていない(T . T)感想は下巻で。2016/06/29
那由多
8
栗本薫お気に入りの今西良が登場するものの中では、今作が1番のおすすめ。上巻はA面。下巻がB面。良は美しかった頃の沢田研二さんがモデル。作中のドラマは『悪魔のようなあいつ』。DVD化されたのを、観ました。
Tanaka9999
8
今西良の世界観をもつシリーズ。古典的BLものなんでしょう。ただ音楽の世界が舞台で、下巻や直接繋がる(ように思われる)朝日のように音楽の世界の周辺が舞台とは違い、どうも苦手な舞台。キラキラの世界の中がダメなのだろうか。2019/04/13
CCC
5
音楽にしろ同性愛にしろ、作者の趣味が前面に出ている作品。序盤から歌手の名前がずらずら並び、芸能界への言及が続く。勢いと若さが感じられて面白かった。ファンタジー長編で知られてる作家だけど、個人的にはこういう路線をやってる時の方が好み。ただ、前書きからも読み取れるが、人を選びそうなところがある。なんでも、八割方の男性読者には読まないで欲しいらしいし。……まあ、自分が残り二割に入ってるとは思えないけど、気にしないで読み進めることにする。前文は前文、本編は本編ということで。2012/06/29