内容説明
美女とミミズとヒッチコック。小説家の孝行息子。プロ野球賛江。など、日々の出来事をちょっと変わった視点から見つめた「陽気なイエスタデイ」。肺結核の療養所で。R.ダールとの出会いほかの「青春のイエスタデイ」。聖骸布をめぐるイタリア紀行を含む「気侭なイエスタデイ」。短篇の名手がエッセイで心地よい技の冴えをみせる。
目次
陽気なイエスタデイ(歩け歩け;初めての寅さん;賭ける心 ほか)
青春のイエスタデイ(若い日のこと;雪の窓辺;博多体験 ほか)
気侭なイエスタデイ(図書館アト・ランダム;人知とコンピュータ;著作物のテープ化 ほか)
著者等紹介
阿刀田高[アトウダタカシ]
昭和10(1935)年東京に生れる。早稲田大学仏文科卒業。国立国会図書館勤務を経て文筆活動に入り、54年、短篇集「ナポレオン狂」で第81回直木賞を受賞。平成7年、「新トロイア物語」で第29回吉川英治文学賞を受賞
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感想・レビュー
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優希
99
久々の阿刀田さん。エッセイなので読みやすかったです。若い頃の話が結構出てきました。苦労した話なども出てきますが、全体を通じてユーモアを感じます。小ネタ的な話が多いのも楽しいですね。様々なイエスタデイが面白い。冴えきった文章でサラリと語るのが魅力的でした。2016/09/24
KAZOO
62
阿刀田さんのエッセイ集です。ご自分の若い頃の話が結構でてきます。学生時代やけっこ運子規のときの話などが結構楽しく読めました。若い頃はかなり苦労した話も出てきます。またご自分の運命を変えることになった短篇小説のロアルド・ダールの作品についてのところも印象に残りました。2015/06/22
優希
39
再読です。阿刀田さんの原点的エッセイと言っても良いでしょう。読んでいて心地良かったです。苦労話なども出てきますが、全体的に小気味良くユーモアを感じることができました。2024/04/26
MIKETOM
8
阿刀田のエッセイ集。一般のエッセイのように身辺雑記や若い頃の思い出などももちろん書いている。他には読書の素晴らしさを熱心に主張している。本書では図書館の効果的な利用法や舞台朗読を紹介したりして、少しでも読書好きが増えるようにと頑張っている。ラストに、阿刀田がNHKの要請で「キリストの聖骸布」についての取材をしにイタリアまで行った時のことも書いていた。これがけっこう面白い。科学的検証で聖骸布は13~4世紀のものだと結論づけられたのだが、だからといって必ずしもウソと決めつけられないとか。なかなか興味深いね。2019/04/21
ろこぽん
4
阿刀田さんが短編小説家になった原点が書かれていてとても興味深く読みました。読書こそが青春の道しるべ、そして老後の道しるべも読書だそうです。 阿刀田さんが孝行息子と言ってる「来訪者」も読んでみよう。2022/07/01