出版社内容情報
突然売りに出たベラスケスの名画「公爵令嬢」をめぐり、世界の有命美術館がCIAまで巻きこんで展開する争奪戦と、美術界の裏側
内容説明
ベラスケスの最高傑作と称されながら某家に二百年間死蔵されたままだった幻の名画「侯爵令嬢」が突然売りに出た。メト、ナショナル・ギャラリー、ルーヴル,エルミタージュ…世界中の有名美術館が色めきたったのも無理はない。「謎の十字架」の著者が、元メトロポリタン美術館長の体験をいかしてあばいた、美術界の魑魅魍魎。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
030314
1
1670万ドル、現在の円で25億円で落札された「伯爵令嬢」という絵の物語。主人公が誰なのか、物語中頃になってようやく明かされる。読んでいく途中、結末を想像してみたが、外れてしまった。絵画の世界のハナシは想像を超えていておもしろい。2024/02/17
Hiroshi Takeshita
0
ベラスケス。改めて見ると成る程すごい。これを見てしまうと、他の画家の作品が褪せて見えるというのも納得である。レンブラントすら、黒で誤魔化した様に見えてしまうから、不思議。この時期、スペインには西洋史最高の画家と、作家が居たんだなあ。日本はその時、徳川家康の時代位である。かたや、甲冑がコスプレにしかならず、かたや甲冑が実用品の文化。この差は成る程、納得である。2018/01/04
ivnin
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520ページもあったの? 読み下しやすい語り口と感情移入しやすい登場人物にあっという間につれてこられた印象。エキゾチックな魅力ある美術界のフレーバーを除けば、そこにあるのは絵画のように構築性が高いストーリー。史上最高価格が期待されるベラスケスの肖像画の獲得を競って、出会った二人が愛を育てる様と、絵画の真贋揺れ動く様、あるいは作者ベラスケスとオデスカルキ夫人の愛を、重ね合わせて透かして見せる快さ。2013/04/22