内容説明
1986年より三年をかけて、野田知佑はユーコン川をベーリング海まで下った。ツアーの友は愛犬ガクと湧きいずる雲、時折出会うインディアンやイヌイットの人々…夏のユーコンを豊富なカラーで再現した写真集「雲を眺める旅」と、川と朋輩を訪ねながら日本の自然のありようを鋭くみつめたエッセイ「股旅日記」の二篇を収める。
目次
雲を眺める旅
股旅日記
著者等紹介
野田知佑[ノダトモスケ]
1938(昭和13)年、福岡県生まれ。早稲田大学文学部英文科卒。教員、雑誌記者を経てエッセイストに。「川遊びカヌー」を提唱し、国内をはじめ欧米、オーストラリア、ニュージーランド、インドネシアの川を楽しむ一方、環境破壊につながる河川改修、ダム開発をおしすすめる国土交通省の蛮行を一カヌーイストの立場から告発し続けている。82年『日本の川を旅する』で第9回日本ノンフィクション賞新人賞、98年、一連の活動に対して毎日スポーツ人賞文化賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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saga
47
【古書】フォトブック。それに相応しい紙質で、カラー写真も多用されている。著者の他のエッセイでも、モノクロ写真が載っているが、カラー写真から伝わる雰囲気は別格だ。特にユーコン川の風景はカラーがいいね。「ユーコンの旅は雲を眺める旅」だから『雲よ』なんだな~。後半の「股旅日記」では日本の川の荒廃と、建設省(当時)の横暴に対し野田節が炸裂! 日本に嫌気がさして、北米の荒野へ志向するのも無理からぬことだ。2001年に書かれた文庫本あとがきが、終の棲家となった徳島から発せられているのも感慨深い。2023/12/21
ツバメマン★こち亀読破中
19
ユーコン川をカヤックで下る旅の写真&エッセイ「雲を眺める旅」と、日本の自然、川を見つめるエッセイ「股旅日記」の二篇を収録。いいなぁ~久々にカヤックで遊びたくなってきました~。あと建設省(現国土交通省)のデタラメな河川行政にはホント腹が立つ!現在はどのような状況なのかな?関連する本など読んでみたいと思います。2015/05/25
たか。
2
前半を読むと旅に出たくなります。後半は日本の行政にがっかりします。2011/12/05
白山岩魚
2
アラスカ、夢のまた夢です。
じむくろうち
1
野田さんのエッセイは、率直にいうとワンパターンだが、それでも時々 読んでみたくなる。寅さんの映画と一緒だ。この場合、ワンパターンは決してマイナスの評価ではない。ワンパターンゆえにおもしろいのだ。2016/01/18