出版社内容情報
貧しさ故に花街に身を沈めた娘と佐渡金山の人足。二度きりの逢瀬が生んだ絶望的な愛の哀しい運命を痛切に描きつくす長篇歴史小説
内容説明
無罪無宿で佐渡金山に人足として送られた直吉と、貧しさゆえに花街に身を沈めた花衣。絶望だけに生きる二人が出逢い、再会を夢みて一年を生きぬいたが…。ただ二回きりの逢瀬で二人が決めた哀しい決意とは。苛酷な運命に流される男女の姿を通して、真実の愛を痛切に問いかける著者の代表的長篇歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
484
【遊廓部・課題】安永の時代、人減らしのために佐渡へ送られた青年と、同じく人減らしのために地元の水金遊廓に身売りさせられた少女が、絶望のどん底で出会う。そこにあるのは、恋愛感情なんていう甘ったるいものなんかじゃない。「おれは、おまえのことを思って、もう一年生きよう」魂を揺さぶられたね。日本はかように貧しかったのだ。2021/04/09
ソーダポップ
19
徳川幕府の財政を支えた佐渡金山を舞台に、暗黒の地底で働く無宿人と貧困ゆえに売られた遊女との心中を描き繁栄の陰で辛酸を舐めた人々の生を代弁したかのような長編。湿った強風に着物ごとあおられ、逆さまになって空をきる間際まで。絶望の人生を、我が身で呼吸するように描いた作品でした。2024/11/27
モリータ
9
佐渡金山の「道遊の割戸」の、道を挟んで反対側に本作の碑があったので、帰ってから読む。水上勉の「佐渡の埋れ火」が、佐渡奉行の淡々とした日記を軸に、百姓騒動や越後の瞽女といった複数のモチーフを絡めて坑夫と遊女の運命を交錯させているのに対し、本作はただただ悲惨というしかない無宿人の水替と遊女の心中話だった。単純といえば単純だが、「ブラタモリ」で楽しげに紹介されていた観光地から少し離れた山中にある「無宿人の墓」の寂しさを思い出すと、無数の男女が命をすり潰された、金山の町の暗い部分を思わずにはいられない。2017/08/25
ゆきこっち
6
他の方のレビューで 「今現在自殺したくなるほど不幸な人であっても この本を読めば自分がいかにマシな状態であるか味わわされる。」 とおっしゃってましたが、本当にその通りでした。 せめて、せめて空腹を満たして欲しかった・・・2017/02/25
とまとくん
2
心が締め付けられる1冊でした。たった2度の逢瀬の2人が共に選んだ結末があまりに悲しくけれど安堵するものでした。解説にも書かれていましたが、これだけ惨い描写を美しさを保って書かれていることが素晴らしく、胸が苦しくなりながらも一気に読んでしまいました。先人達の苦悩、時代の残虐さを感じられました。2026/01/18
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