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文春文庫
名人―志ん生、そして志ん朝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 237p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167256197
  • NDC分類 779.13
  • Cコード C0195

内容説明

2001年10月1日、古今亭志ん朝急逝の報にふれて、エルヴィス・プレスリーの急死に匹敵する衝撃を受けた著者が、哀惜の念をこめて、志ん生と志ん朝、父子二代の落語家を論じる。それは同時に、現代の東京が失った言葉と街と人々へ捧げる、美しきオマージュであり、哀切きわまりないレクイエムとして、読む者に迫る。

目次

第1章 古今亭志ん朝(古今亭志ん朝の死;志ん朝日和(一九八一年~二〇〇一年))
第2章 古今亭志ん生(ある落語家の戦後;志ん生幻想)
第3章 志ん生、そして志ん朝(“路地”の消滅;志ん生、大ブレイク ほか)
第4章 落語・言葉・漱石(『落語鑑賞』と下町言葉;夏目漱石と落語)

著者等紹介

小林信彦[コバヤシノブヒコ]
昭和7(1932)年、東京生れ。早稲田大学文学部英文科卒業。翻訳雑誌編集長から作家になる。平成18(2006)年、第54回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐうぐう

6
志ん朝死去の喪失感に貫かれた一冊。江戸落語を愛する人達が、いかにそのことを嘆き悲しんだかが、痛いほどに伝わってくる。落語関連のエッセイを寄せ集めた散漫な構成はいかにももったいないが、小林信彦の「基本的に、自分の見たことだけを書くのが、ぼくの人物論のやり方なのである」とする、一本筋の通った誠実さが、読む者の心を震わせる。2009/03/06

てら

4
再読。帰省の新幹線で読もうと思って手に取り、全部読んでしまった。「江戸っ子」最後の一人である小林信彦の哀しみが伝わってくる。やむをえないことだが、完全に同時代人である志ん朝の方を持ち上げすぎてはいる気もする。しかし、「落語マニア」には絶対に書けない本であることも確か。2012/12/30

eleking

4
既発表の文を中心に再構成された本だったんだなあ。まあ、全集の出ない小林信彦にとってはこうした本も必要。本文のみならず、森卓也の解説(ではないけど)も秀逸。2012/06/11

unpyou

4
最近志ん朝のCD買って聴き始めてるんですが、生で高座が聞けたら最高だっただろうな、、と思わせる素晴らしいもの。小林信彦らしい抑えた語り口でしみじみと語られる戦後落語の一風景は味わい深い。同じ話が何度か出てくるのもまあご愛嬌。2011/01/23

Akane Nishiyama

3
本棚から転げ落ちて、あーそういや私が読むにはまだ早いと取っておいたんだったと思い出し、夏休みを利用して読む。 江戸落語が確立されるにあたって、江戸弁における、野暮を離れた粋というシャレのエッセンスが影の立役者であったことを(小林信彦の体験を含め)詳らかにする一冊。 志ん生と志ん朝の裏話暴露本ではない(ある意味そうだが)。彼らの芸の屋台骨である江戸弁にある滑稽的美感は、漱石の『猫』にも存在する、という話も収録されている。2019/08/18

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