文春文庫<br> 回想の江戸川乱歩

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文春文庫
回想の江戸川乱歩

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  • サイズ 文庫判/ページ数 190p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167256050
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

出版社内容情報

若き日に"推理小説の巨人"と身近に接した著者だけが知る"江戸川乱歩の真実"を愛情と畏敬の念をもって描く好著。ファン必読

内容説明

日本の探偵小説のパイオニアである江戸川乱歩。「幻想」「怪奇」といったイメージに彩られた“巨人”の実像を、晩年に接した作家とイラストレーターの兄弟が初めて語り合う対談、エッセイ、小説によって描き出す。資料的価値はもちろん、乱歩が生きた大正・昭和という時代が浮び上る、ファン必読の好著。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

53
江戸川乱歩氏の身近にいた作者が、その体験と思いを綴った回想録です。ミステリーが好きになり、読書が好きになったのは乱歩氏の影響であり、作者の思いに共感する処が多いです。しかしビジネスを通して接した乱歩氏の姿は、その作品群から受けてきた氏の印象とは、あまりにも違うものでした。勝手にミステリー界の巨人として、その怪奇幻想の霧の中に居城を構えるイメージを、何時からとなく持っていたのです。この作品によって、ミステリーを楽しんで貰おうと出版や人材育成に力を注ぎ、東奔西走した乱歩氏の真実の姿を知れて良かったと思います。2014/12/15

みなみ

15
江戸川乱歩との関わりや思い出を綴った対談や回想録。最近、今更ながら江戸川乱歩の推理小説にどっぷりはまって、独特の世界観の虜になった。猟奇的、幻惑的な本を執筆する位だから、洞窟の中で蝋燭をともしながら執筆しているんだろうという偏見を持っていたが、実際には違ったことが分かってなんだか新鮮。推理小説をジャンルとして定着させようと奔走する乱歩の人となりが良く分かる。2018/05/20

猫丸

14
赤蠟燭の灯のもと、髑髏を脇に執筆にいそしむ怪奇幻想作家乱歩の世間的イメージを、本人はいたたまれぬ思いで黙過していたという。出版業と日本の探偵小説普及に情熱を注いだ素顔の乱歩に接した小林さんの証言。細心というよりも小心ともいうべき乱歩の実像を記録してくれている。つげ義春を懐かしいと感じるのと同様、乱歩作品は発表直後からある種のノスタルジアを枕詞に持っていた、という指摘は意外性がある。2018/12/18

ワッピー

7
「宝石」ありし頃の小林信彦との一局面。世間的には、猟奇的な耽美傾向を持つ異常人と思われていた乱歩の素顔、そしてそもそも「宝石」「ヒッチコック・マガジン」と乱歩・小林信彦の関わりも知らなかったワッピーには、ビックリの連続でした。病重篤の中、私財を擲って探偵小説の地位を高めていこうと悪戦苦闘していた乱歩は、自分の感性とは違うことを知りながら、当時はまだ素人のような小林を抜擢し、一方で旧来の社員を切れなかった。自縛の環境を苦しみつつ生きた乱歩のほんの一部を知っただけですが、「偉大」という言葉が脳裏を離れません。2017/09/20

Gen Kato

3
再読。弟さんとの対談もいいが、後半の小説『半巨人の肖像』がことにおもしろい。出版業界って異常な人間が多いよなあ…2016/09/01

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