内容説明
車力から身を起して一代の近世的実業家となった瑞賢は、紀伊国屋文左衛門とも比肩され、その伝記はしばしば混淆される。瑞賢はすぐれた創意工夫により、わが国海運の革新的偉業を成し遂げたばかりでなく、淀川の治水工事や越後上田銀山の経営等に特異な手腕を発揮した。極めて少ない史料を厳選しつつ鮮かに構成した瑞賢伝。
目次
1 家系とおいたち
2 奥羽海運の刷新
3 畿内の治水
4 越後における瑞賢の事蹟
5 晩年―附瑞賢の子孫
6 瑞賢と白石
7 余録
8 史料の解説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アメヲトコ
7
1964年刊。奥羽海運を開いたり、淀川の治水を行ったり、越後高田藩で新田や銀山の開発を行ったりと、土木官僚として大活躍した河村瑞賢の事蹟を限られた史料から明らかにした一冊。著者は明治26年生まれでもはや古典の域。初期の人物叢書、なかなか(史料的に)書きづらそうなラインナップが結構あるのが面白い。2020/12/21
ハル牧
2
革命的な日本海海運の整備、畿内の河川治水、その他にも鉱山開発などを行った大事業家河村瑞賢を、豊富な史料を用いて語る本。大老堀田正俊及び若年寄稲葉正休と河村瑞賢との関係は、どこかで聞いたことがあるような無いような、そんな状態であったが、とりあえずこの本で読んだ、という状態にはなった。2019/10/08
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- 和書
- おふろだ~いすき!