内容説明
作家としての長いキャリアをふりかえりつつ、日々の哀歓を綴るエッセイ。寝るほど楽は…、女性と生きがい、直木賞受賞の頃、老母との暮らし、猫のはなしなど春秋の感慨にこめられた、晩年へのさりげない模索。旅先で想う歴史上の人物など、旅することの多い著者ならではの話題。女の暮らしに漂う静謐と温もりが伝わる随想集。
目次
暮らしの中のこぼれ話(亥年つれづれ草;一粒の目;ひとり旅 ほか)
旅の楽しみ(会津若松;浜辺の風;もの言わぬ歴史の証人 ほか)
歴史への思い入れ(糖尿病多発の藤原摂関家;絵巻の中の肖像;天来の音楽 ほか)
著者等紹介
杉本苑子[スギモトソノコ]
大正14(1925)年、東京に生れる。文化学院卒。昭和38年「孤愁の岸」で第48回直木賞受賞。53年『滝沢馬琴』で吉川英治文学賞、61年『穢土荘厳』で女流文学賞を受賞。平成7年度文化功労者。著書は上記受賞作のほか『華の碑文』『玉川兄弟』『埋み火』『終焉』『影の系譜』『散華』『山河寂寥』『能の女たち』など多数。平成9年『杉本苑子全集』全22巻を中央公論社から刊行
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