文春文庫<br> 革命商人〈下〉

文春文庫
革命商人〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 343p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167219246
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

高度成長期の輝ける総合商社の力は、時に発展途上国の国運さえ左右しかねなかった。南米チリの社会主義政権下で、会社の利益追求と自身の矜持・信条の狭間で苦悩する商社マンたちの闘いは、やがてチリの混乱時代の終焉とともに幕が降ろされる。綿密な取材と膨大な資料を駆使して描いた壮大なビジネスロマン。

著者等紹介

深田祐介[フカダユウスケ]
1931(昭和6)年、東京生れ。暁星高校を経て、55年早稲田大学卒業。日本航空に入社し、海外駐在員、広報室次長を歴任。83年退社し、作家活動に専念。76年「新西洋事情」で大宅壮一ノンフィクション賞、82年「炎熱商人」で直木賞を受賞。87年文芸春秋読者賞を受賞した「新東洋事情」以来、アジア情勢・分析において、読者の絶大なる信頼を集める。著書に「暗闇商人」「激震東洋事情」「美食は人にあり」「鍵は『台湾』にあり!」(共著)など多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まつうら

29
下巻の主役はアジェンデ大統領だ。彼の貧民救済政策は賃上げと物価統制で、物資不足と深刻なインフレを巻き起こしてしまう。戦後の日本と同じだ。さすがにこれは失政と認めざるを得ないのではないかと思うが、アジェンデは政策を変更しない。ついには政治的中立だった陸軍が腰をあげ、仕方なく軍事クーデターを起こしてしまう。トーマス・マンの「民主主義の最後の手段は暴力だ」という言葉を思い出すが、ほかにやり方はなかったのか? 社会主義に肩入れするつもりはないが、不器用な理想主義者アジェンデの失脚を、とても残念に思ってしまった。2022/05/25

shizzy

4
ひょんなことで軍の側についた会社。人民連合への献金でアジェンデ政権側についた会社。史実をもとにしたビジネスロマンとのことだが、日本の商社が時代の流れの中でこんな風に巻き込まれ、加担し、歴史の翻弄されるんだとドキドキしながら読了。男性陣だけでなく、周りを囲む女性たちも逞しく描かれとても良かったです。生粋の共産主義の親父さんが「共産主義革命に自分の今までやってきたことが壊される」と発言していた部分、これはちょっおかしい発言のはずなんだけど、すごく説得力があって納得できてしまいました。理想と現実は違うからね。2014/07/29

HoneyBear

4
淡々としたビジネス小説。少し単調に感じたが、アジェンデ政権とその後チリ・クーデターの展開については新しく知ることが多かった。

トラッキー

4
世界史上初めて選挙で成立した社会主義政権チリ人民連合のアジェンデ大統領当選前夜から軍のクーデターで政権崩壊するまでの数年間のチリを舞台に、日本商社2社の激しい商戦を描いた物語。クーデターは1973年なのでもう40年前の史実がべース。貧しいチリの庶民の役に立ちたいという熱い思いと、日本の技術・モノを世界に広げたいという情熱がぶつかり合い、最後は共に傷心の下でチリを去る。今だから冷静に読めるリアリティたっぷりの佳作。2012/06/10

ntoshishige

2
■2016/03購読。人生かける商社マンに萌える2013/06/23

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