文春文庫<br> 姫の戦国 〈下〉

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文春文庫
姫の戦国 〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 363p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167200374
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

駿河の今川氏親に嫁いだ悠姫は、武家と公家の違いにとまどいつつ激動する戦国に翻弄される…今川義元の母・寿桂尼を描く歴史長篇

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

110
今川氏の盛衰が描かれる。英邁である氏輝の若すぎる病死。花倉の乱を経て義元が後を継ぐ。太原雪斎が義元の右腕として外交、内政、軍事に躍動する。甲相駿三国同盟を締結し今川氏の絶頂期を迎える。三河を蚕食し松平元康を一門とする。駿河の統治は氏真が行う。尾張を攻め知多半島を制圧し、伊勢路から上洛を目指した義元は桶狭間に散る。そこから七年。寿桂尼の死後に今川氏は瓦解。逆に言えば寿桂尼が今川氏を支えた時期だろう。欲を言えば、桶狭間後の寿桂尼の活躍が読みたかった。とは言え先進的な今川氏の統治が知れる。読み易く興味深い良作。2020/09/17

糜竺(びじく)

49
織田信長に桶狭間で討たれた今川義元の母である寿桂尼が主人公の小説です。下巻です。女性でありながら、領国経営に関わり、戦国の波をかき分けていく姿が描かれていました。特に今川家の経営が非常に先進性を帯びている事には驚かされましたし、ちまたの小説などでは、今川義元は暗愚に描かれる事が多いですが、読んでいて彼へのそういった悪い先入観が取り払われました。女性ならではの胆の据え方で、歴史の局面に向かっていく姿は読みがいがありました。戦国ものはどうしても男目線のものが多いですが、女性目線で読める一冊でした。2015/07/05

金吾

36
今川氏の隆盛と衰退が書かれています。特に氏親の病気後の寿桂尼の活躍は面白かったですし、女性視点の戦国を書く作家が余りいなかったように思える出版当時の状態でありながらこの系統の作品を何個も執筆した永井さんに改めて驚嘆します。2023/01/02

紅香@新刊購入まで積読消化あと4冊⭐︎

25
今川氏親死す。。悠姫改め、寿桂尼の慧眼が冴え渡る下巻。三男の承芳が義元と名乗ったあたりから、歴史のどの辺りにいるのかようやく分かった次第…。公家と武士の婚姻の意味。印鑑の発展。男同士の恋愛事情。名前による忠誠。『義』という名は将軍しか持ち得ないものなど、私にとっては真新しい発見がいくつもあった。いつ寝返るか分からない不審な世の中で、復讐よりも融和を。排除よりも囲い込みをと采配を奮った寿桂尼。敗れてもその血脈は勝者も敗者も関係なく、混じり合って無邪気にこんこんと続いていく不思議さにふと意思を感じる。2021/01/21

ロッキー

11
今川義元というと織田信長に桶狭間の戦いで敗れた一般的に公家かぶれの愚将というイメージが付き纏うけれども、近頃は麿にさせられているが…。この本のあとがきにもあるが、歴史の冷徹な法則としてゲーム感覚で戦場の勝敗にのみ眼を奪われ結論を出してしまう。見方を変えなければいけませんね。『今川仮名目録』の制定、検地の実施、寄親制、そして外交に長け商業の発展を進め、今川家は「近代化」のトップを走り、そうか海道一・東海一の弓取りの由来はここからきたのかと。「にもかかわらず」今川は滅んだ。目から鱗でとてもおもしろかった。2012/08/25

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