出版社内容情報
三条帝の皇子敦明にはかねてから奇妙な噂がささやかれていた──貴族の優雅な世界と、無法な民衆の世界とを鮮やかに描く短編八篇
内容説明
時は平安時代。三条帝と実力者藤原道長は熾烈な闘いを繰り広げていた。それなのに、帝の第一皇子敦明には奇妙な噂がささやかれていた…。(「噂の皇子」)。王朝の光と影を生き生きと描き出した小説8篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃいろ子
41
長編作では光があたっていなかった人々の物語。 読んでいて、おっ、この人は??もしや?と思いつつ読み進めて、最後にああ、やっぱり!と種明かしされたときの喜びといったら(笑) 今まで読んできた長編が素晴らしかっただけに、 描き切れなかった影の部分、影の人々をこうして短編として描かれていて、そこに浸れる幸せと言ったら。 まだまだ永井路子さんブームは続きます♪♪2022/07/30
ちゃいろ子
30
三条天皇の第一皇子敦明親王の話は「望みしは何ぞ」でも描かれていたが、それを敦明親王側から詳しくという感じで良かった。 「桜子日記」 和泉式部の侍女から見た様々。和泉式部はやっぱり魅力的な女性でもっと読んでいたかった。 「王朝無頼」 身体は大きいが力はからっきしな気弱な男が、京の都で危うい目に合い、それを救ってくれた貴公子。 だがその貴公子が実はというお話。 この貴公子さん謎に満ちた人で色んな作家が描いてるけれど、いつも魅力的。 「離洛の人」 藤原佐理は私の中でとても親近感湧く駄目な人なんだけど←実は、、2025/10/26
エドワード
21
みやびな平安時代といえども、権力闘争の激しさは変わらない。自分の孫を帝位に着けたくてならない藤原道長と、父・三条天皇の激突を横に涼しい顔をしている敦明親王。政治に興味のない皇族だっているよね。だらしなさ故に書いた多くの始末書が後世に残った藤原佐理を描く「離洛の人」。二つの顔を持つ男、源頼政と源義経を描く「双頭の鵺」「二人の義経」。手塚治虫のマンガのような「王朝無頼」。平将門(懐かしい!)にまつわる「風の僧」など、永井路子さんが描く、現代語を生き生きと話す王朝人が右往左往する平安時代はとびきり愉快だ。2015/08/02
えみりん☆
17
平安時代の雅な宮廷生活の裏では激しい権力闘争が繰り広げられている。三条帝と藤原道長の熾烈な闘いの中、奇妙な噂の渦中に巻き込まれる皇太子敦明。失態ばかりやらかす天下の名筆と呼ばれる藤原佐理。角度を変えて見ると様々な局面が見えてくるものだと思いながら読んでいました。2017/01/09
くっちゃ
9
大河ドラマ的なものがすきなので、短編歴史的小説は自分の肌に合わなかった。ただ、二人の義経は面白かった。源義経が完全に漁夫の利ってる。同年代に本当に山下義経って人がいたことにも驚き。事実は小説よりも奇なり2018/04/24
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- 和書
- ばけばけ5 5




