出版社内容情報
息子の暴力に苦しむ両親、血に飢えた殺人者、浮気する人妻……、無関係に生きる人々がある直線上に並んだ時、またあらたな殺人が起る。社会派森村の異色長篇推理
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カチダ
1
家庭内暴力による、家族崩壊の悲劇…。 人間関係において、一番厄介なのは 「家族」 なんだろう。 家族のあり方は、家庭の数だけあり、類型化できない。 家族のことは、外の者には決して分かり得ない。 家族は、簡単に断ち切ることはできない…。 家族であろうとも、他人である、ということ。 どこかで、家族は他人ではないと思っているから、なぜわかってくれない、なぜ…と苛立ってしまう…。 しかし、頭ではそうわかっているつもりだけれど、やっぱりうまくいかず…。 家族の距離感、まだ難しい。2020/05/15