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文春文庫
風の扉 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 286p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167184308
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

確かに殺したはずの人間がなぜか生きていた……。人間の尊厳、医学の発展がもたらした恐怖を息詰まる筆致で描いた医学推理の名作。

内容説明

染織工芸界の巨匠が破門中の弟子の恨みを買い、メッタ突きされて殺された。しかし、事件はいっこうに報じられない。なぜなら、殺されたはずの男が生きていたからだ―。その謎の陰で、ある二つの遺体の不審点が明らかになる。医学の発展がもたらした恐怖と、人間の生命とは何かを世に問うた、医学ミステリーの名作。

著者等紹介

夏樹静子[ナツキシズコ]
東京生れ。慶応義塾大学英文学科卒業。1973年、「蒸発」で第26回日本推理作家協会賞を、1989年、フランス語訳「第三の女」で第54回フランス犯罪小説大賞を、2006年、日本ミステリー文学大賞を、それぞれ受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あかつや

3
染織界で名を馳せる師匠と折り合いの悪い弟子がカッときてナイフで滅多刺しにして逃げた。弟子は当然ビクビクしているのだけど、、いつまで経ってもその事が報じられず、不思議に思っていたらなんと師匠は生きているという。これをミステリーの雰囲気でやるんだけど、まあオカルトの領分だな。フィクションだから何やってもいいけど、何やるにしても読者を納得させるだけの世界観の構築が必要だ。でもこの小説にはそれがない。発表された当時はもちろん、近年同様の手術の成功が中国で報じられた現代でこれやったとしても、なにそれポカ~ンだわ。2020/09/16

やす

2
途中から結末は何となく想像でき、今では陳腐な題材であるように感じたが、何年も前に医療倫理を正面から問うような本を書いているのはすごいと思う。生と死と脳と肉体と、これらの問題は今でも解決しておらず、何を持って我々は自分であるといえるのか深く考えさせられた。 今では、肉体の交換も技術的にはあながちあり得ない話でもなく、社会全体で考えていく必要があると思う。特に、最後の第三者で見た時と当事者としてみた時の違いは、現代の様々な問題について同じことがいえると思う。偉そうなことをいう評論家はよく考えてほしい。2018/11/06

2
文章が麗々しくなく、淡々としているため、何か、現実にこういうことができる時代がやってきているのではないか? と思わせるタッチが怖い。個人的には、謎に迫る人たちが、謎を隠そうとする人たちから追われたり消されていったりするようなストーリーでなくてよかった。2011/07/23

ななころび

1
まさか、いやもしかして、やっぱりと読みが当たり、SFだと思いきかせて読む。夏樹さんぽくないような。2016/11/07

久保伸一

1
フィクションなんだから、そんな細かい事言うなよ。と言われそうだが・・急拵え的に登場した相手と血液型はまだしも、「HLA型も同じでしたので、」って随分気軽に・・HLA型が一致する人と出会う確立が「砂丘で一個の砂粒を見つける」程に難しいから骨髄バンクという組織があるのだが・・2015/01/04

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