内容説明
幼い頃空に憧れた少年は、長じて軍隊に入り、飛行兵となってその夢を叶えた。しかし、折から日中戦争が勃発、新鋭機を駆って、勇躍戦場に向かう。そこで彼が見た現実とは…。日中戦争、ラバウル、本土防空戦と苛烈な戦場を戦い抜いた著者が、いまは亡き戦友たちに捧げる鎮魂歌。空戦戦記の傑作が渡辺洋二氏の解説で甦る。
目次
第1章 大空への決意
第2章 中国戦線へ飛ぶ
第3章 はばたく零戦
第4章 零戦から雷電へ
第5章 ソロモンの戦い
第6章 戦い、われに利あらず
第7章 その後に思うこと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
飯田健雄
8
戦争はいやだなと実感させる一冊。だいたい、悲劇は喜劇に近くなる。著者は、ゼロ戦パイロット。太平洋戦争末期、横須賀航空隊隊に所属した著者は、昼間に米機と空中戦をし、夜は、重病の妻を看護、この繰り返し、妻が死んだら、雪道をリヤカーで荼毘のため数時間、火葬場までこいでいく。戦友はいなくなるし、空中戦は、事務的な敵機撃墜作業となる。真珠湾作戦からミッドウエー作戦を前期、ガダルカナルを中期とすると、絶望的戦いに陥った硫黄島、沖縄とは違った角度から描写する太平洋戦争後期の秀逸の戦記である。2015/08/18
しょうご
0
零戦搭乗員の空戦録。
スカタンク
0
羽切中尉のような上司に巡り合いたいものです。2010/04/23