文春文庫<br> ネコババのいる町で

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文春文庫
ネコババのいる町で

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  • サイズ 文庫判/ページ数 266p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167172039
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

聞くことはできるが話すことのできない帰国子女の、小女期から結婚に至る間に見たさまざまな人間模様を描く芥川賞受賞作ほか二篇

内容説明

わずか三歳で、ロスアンジェルスから一人で日本に送られた恵里子。実の母に捨てられたショックで一時的な失語症に陥ってしまうが、ある日、隣の「ネコババ」の家で突然言葉を取り戻す。生みの親よりも「本当の家族」となった祖母と叔母に育てられた多感な少女が観た人間模様を描く芥川賞受賞の表題作ほか二篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

278
1989年度文学界新人賞と芥川賞の受賞作。この年の候補作には荻野アンナや小川洋子も名を連ねている。彼女たちのその後の活躍に比べると、瀧澤美恵子はやや影が薄くなったか。もっとも、受賞当時すでに50歳になっていた。ここに収録された3つの作品は、いずれも地味ながら文学の味わいはある。選考委員達の玄人好みという感じもするが。しかし、そのいずれもが、輝かしい人生からは限りなく遠い物語だ。2012/03/15

遥かなる想い

171
第102回(1988年)芥川賞。 わたしと 叔母と ネコババの何とも 不思議な物語である。別れた 父母のため、 叔母と暮らす私の 健気さが 心に染みる。 何の気取りもない文体が さりげなく 人の儚さを描く…名古屋の父との再会が 心に残る、そんな作品だった。2017/12/31

ω

59
1989年芥川賞ω 上質な3作。昔の上流階級の家庭が舞台になっていて、先生が良家の出身なんだろなと思わされる。ネコババ…はややポップだが、他2作は穏やかに暗い。なかなか良い!この先生も思ったよりファンが少ないなぁ|・ω・`)2022/03/11

優希

44
人間関係の儚さを感じました。不遇の日々が淡々と紡がれていますが、失語症が治るのが印象的です。つぶやきが聞こえるような感覚に陥るのも心地良い。そのせいか、ポップなのですよね。暗いけれど穏やかさがあるように思います。2022/04/24

まさ

31
不遇の女の子の日々の出来事が淡々と描かれる。本人や周囲で起きていることは結構波のあることなのに。それなのに、決して深刻に話が進まないし、ドラマティックな展開があるわけでもない。だからこそ、この日々に惹き込まれるのかな。2022/04/01

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