出版社内容情報
読書に枠もジャンルもない。古典文学から科学読物、そしてミステリーの名品まで、この一冊は同時代を愉しむ、ぜいたくな読書案内
内容説明
文章の喚びおこすイメージ、力、魅力とは何なのか?「文章読本」の著者が、一切ジャンルにとらわれず、文学書からノンフィクション、SF、ミステリーにいたるまで、かねてより秘愛の文章を精選し、周到緻密に語りつくした異色のエッセイ。これは、読書案内であるとともに、かつて試みられなかった自在無礙な文章鑑賞法である。
目次
1 紙上の花吹雪(詩人と猿;想像力序説;書評のスタンダード;二つの現代文学論;無署名の無責任 ほか)
2 傑作の条件(知られざる傑作;常識を語る勇気;歴史秘話のアンソロジー;現代詩とは何か ほか)
3 文明のなかの神話(マクベイン節の構造;小説の結末;イギリス探偵小説の正統;文学批評の王道;少年小説の伝統 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
113
読書批評家として名高かった向井さんの書評集です。比較的好みに合ったものを80数編収められています。谷沢永一さんと並んで辛口の批評家ですが、よく読みこんでおられると思われます。最近はこのようにきちんと批評してくれる人が少なくなって甘口の批評家だらけ(私の感想もそうなのですが)です。この題名もエッセイか書評か区分けのつかないものが多くなってこのようにしたと書いておられます。30年近く前のものですが読みたくなる本が多くまた付箋紙が本からはみ出ています。2016/01/05
テイネハイランド
15
1989年発売の書評集。私自身がかってよく読んでいた著者の本が主に取り上げられているので、新鮮味はさほどありませんでしたが、逆にまったく読んだことがない著者や作品(マリオ・バルガス=リョサ、宮崎市定、ディック・フランシス、「アメリカの歴史を変えた50人」、「ちょっとピンぼけ」、「篠沢フランス文学講義」)については、向井さんが推薦しているなら読まないといけないかもと素直に思いました。私にとっては、失ってから存在感の大きさに気づく書評家の一人だったようです。2017/08/19
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