内容説明
講武所教授方と軍艦操練所通いの新生活に入った神林東吾は、操練所で知り合った青年に相談を持ちかけられる。大名家の御後室が恋文を盗まれ脅されているという。指定された場所に、東吾は青年の身代りで出向く。他にるいと東吾が晴れて夫婦となる「祝言」など七篇を収録。大川端の旅館『かわせみ』の面々がおくる人情捕物帳。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
昭和7(1932)年、代々木八幡神社の一人娘として生れる。30年日本女子大国文科卒業後、小説家を志し戸川幸夫に師事。ついで長谷川伸主宰の新鷹会へ入会。34年7月「鏨師」で第41回直木賞を受賞。平成3年「花影の花」で第25回吉川英治文学賞受賞。平成10年、第46回菊池寛賞を受賞。平成16年、文化功労者。テレビドラマ、芝居の脚本も数多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ALATA
57
長い鎖国から扉が開かれようとしている。黒船対策に動く幕府、講武所の新米教授に命ぜられた東吾の周辺が慌ただしい。かわせみを出た美しい花嫁御寮、るいを迎えた東吾は果報者だなぁ。めでたい、「祝言」が良かった。太夫、新造、廓の女たちが白の帯、白の打掛で賑わう八月一日。これを「八朔の雪」と言うらしい。一人芝居が悲しい結末、「恋文心中」「わかれ橋」が切ない★4※「今夜は帰るに及ばぬ」と通乃進。絶句する源三郎、袂で顔隠す香苗、そして涙するるい。私もちょっとウルッとしました。2024/08/19
優希
46
東吾とるいが祝言をあげます。おめでとうと言いたいですね。ただ、女性との関わりが後をたたないので大丈夫かと心配になりました。2022/07/18
さら
37
御宿かわせみシリーズ15。ようやく東吾とるいが祝言を挙げました。東吾のでれでれ振りが際立った巻のように思います。いやいや、でも東吾は前科があるから安心は出来ないけれど(苦笑)。新婚当初ぐらいは、るい一筋でいってほしいなぁ。2016/11/27
真理そら
24
この巻でやっと東吾とるいは祝言をあげる。幕末になったので東吾は方月館ではなく講武所で働くことになり立場が安定した。方月館でのおとせや正吉との交流も好きだったので少し寂しく思う読者である。2019/01/09
bookshelf_yt07
9
【あらすじ】神林東吾は幕府が設立した講武所と軍艦操練所へ出仕が決まる。その操練所で知り合った青年より、幼馴染みで今は大名家の後室に収まった女性の恋文が無くなるという相談が持ち込まれる。東吾が調べてみると、思わぬ事態に。他、東吾とるいが結婚する「祝言」も収録。【感想】次男の冷飯食いから幕府の講武所や軍艦操練所で職を得た東吾。これまでの捕物帖と様相が異なる。そして、遂に恋人るいと祝言を上げた。夫婦同然の仲だったが、実際に夫婦になると、読んでいる私たちまで景色が変わった感じを受ける。2021/10/16
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