出版社内容情報
女の一生を色でいうなら白は花嫁の色、女はこの日から様々な色に生涯を染めてゆく。丹後の山奥で縮緬を織る母と都会で働く娘の愛の悲しみを彩る色は何の色だろう
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
活字ジャンキー
6
亡き祖母の蔵書。昭和中期を舞台にまるで昼ドラのような展開。魔性の母子によって誑かされる男とそれ故に生まれる愛憎がなんともドラマチックでしっとり読んでしまった。母せい子に眠る魔性を奇しくも開花させた福原の罪は重い。母は織り子、娘は着物コンサルタント、桟敷母子に虜となる男たちを昭和の古き良き時代背景と共に。2021/04/17
空飛び猫
6
複雑に絡み合う感情。 男女の機微。2017/04/30
びび
1
大好きな平岩作品。昭和感丸だしがめちゃくちゃ面白い。そして母せい子よ!度肝ぬかれましたよ、あなたには!平岩作品によく出てくるただ堪え忍ぶ女じゃなくて、ぶっとんでるところが最高!いい意味で裏切られました。これだから、平岩弓枝はやめられない。2023/12/16
ITSUMI
1
一気に読ませる人なので、1日で読了。丹後でちりめんを織る桟敷せい子、娘の佳奈は銀座で呉服屋を営む叔父夫婦を手伝っている。建築設計所の所長福原嘉良はせい子が20年前に再会した元恋人であるが、福原には別居中の妻と香子という娘がいる。香子の婚約者の末次元と福原が桂離宮を訪ねる旅行から物語が始まる。その旅行で佳奈に出会った男たち、末次は心を奪われ、福原は過去を知る。和服の世界を軸に、京都・奈良・北陸・沖縄の織物、染め物を絡め、儚い女と身勝手な女、策略に負ける男、傷つきながらも自らの感性で判断する男が描かれる。2023/01/10
ばんび
1
またしても、結末が非常に気になる長編。着物コンサルタントなんていう職業を若い女性がやるというのは魅力的です。異母姉妹による恋のさやあては、今後どうなるのか……想像できますが、早く読みたいのに変わりはないです。2009/02/24