文春文庫<br> だましゑ歌麿

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文春文庫
だましゑ歌麿

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  • サイズ 文庫判/ページ数 650p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167164096
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

江戸を高波が襲った夜、人気絵師・喜多川歌麿の女房が惨殺された。歌麿の絵に込められた風刺を憎む幕閣から妨害されながらも、事件の真相を追う同心・仙波の前に、やがて明らかとなる黒幕の正体と、あまりに意外な歌麿のもう一つの顔とは!?浮世絵研究の泰斗でもある著者が、満を持して放つ傑作時代小説。

著者等紹介

高橋克彦[タカハシカツヒコ]
昭和22(1947)年、岩手県盛岡市に生れる。早稲田大学商学部卒業後、美術館勤務を経て、58年「写楽殺人事件」で第29回江戸川乱歩賞を受賞。その後、61年「総門谷」で吉川英治文学新人賞、62年「北斎殺人事件」で日本推理作家協会賞、平成4年「緋い記憶」で第106回直木賞、12年「火怨」で吉川英治文学賞を受賞。また、浮世絵研究家としても知られ、著書に「浮世絵鑑賞事典」などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょろこ

105
面白かった一冊。手にしてみたら予想以上に読みやすくて面白かった。松平定信の寛政の改革を時代背景にした濃厚な時代ミステリは人気絵師、喜多川歌麿の奥方のおりょうが惨殺されたことからスタート。この事件を一つの主軸に、また更なる事件が重なりゆく展開。哀しみにくれる歌麿、事件を追う同心の仙波を取り巻く不穏な空気は事件のバックのビッグさを浮き彫りにさせ、疑心暗鬼の連鎖と人が持つ多面性が心ざわつかせる面白さ。そして理不尽な改革という歴史を知る楽しさもあった。蔦重、春朗も加わる豪華キャストで醸し出す江戸の空気もまた良き。2024/09/19

mike

74
時は寛政の改革下。歌麿の妻が惨殺された。同心の仙波は事件を追うが、その一方で店を狙った押し込みが続発。解せないのは奪った金はごく僅か。そしてそこに残されたのは謎の撒き札。2つの事件の真相を追う中で手を引く黒幕の正体が明らかになっていく。仙波の信じていた者が間者であったり、周辺人物が消されたり、話がスピーディーに二転三転する面白さ。蔦重、北斎、恋町、長谷川等も登場する時代ミステリー。長編だけど最後まで飽きることなく楽しめる1冊。2025/04/09

財布にジャック

65
歌麿や北斎が登場するなら読んでみようと、650ページの厚みには抵抗がありましたが、シリーズ1作目にチャレンジしてみました。ミステリー仕立てで犯人当ての楽しみもプラスされた時代物で、さすが高橋さんと思わせる濃い内容でした。時代劇の醍醐味を味あわせて貰える凄い黒幕や、時代背景もこの作品をより魅力あるものにしてくれる重要な要素でした。しかし、やはり650ページは分厚すぎて何度も挫折しそうになり、読了出来てホッとしてます。と言いながら、シリーズ2作目も読みますけどね。2012/06/12

はつばあば

59
思わず高橋さんて平蔵さんも定信さんも嫌いやったのかしらと。そりゃそうよね、高橋さんの大好きなこの時代の浮世絵師や狂歌師を迫害したのですものと納得。そういえば今の政治家も情報統制を・・高市さんが言っていたような。面白かったです。歴史のすき間を埋めてくれるこの作品。分厚いですが読み終わるのは一瞬(^^♪。このだましゑの次に「おこう紅絵暦」、一息ついて「京伝怪異帖」で「春朗合わせ鏡」を読めばいいでしょう。でもどれから読んでも「あの人やこの人とまた出会えた」と嬉しくなります2016/02/23

がらくたどん

53
蔦重の物語を読んだので再読。倹約魔王老中定信の引き締め政策期のお江戸が舞台。大水害の翌日、南町の超堅物同心仙波一之進(仙一)は偶然にも人気絵師歌麿の恋女房の惨殺事件に関わる事に。定信の容赦ない娯楽粛清策に知恵と手数のエンタメテロで対抗する蔦重一派。義賊の評判を取りつつ暗躍する盗賊団。奉行所上層部からの謎の捜査打ち切り圧力。抗う仙一に差し伸べられた火盗改からの手も命綱なのか罠なのか?大きすぎる敵。疑心暗鬼。笑顔と邪顔がくるりくるりと入れ替わる騙し絵さながらな江戸の街を仙一がひた奔る。傑作王道エンタメ時代劇♪2024/09/07

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