出版社内容情報
死は日常身近にごろごろと手にとれる近さにころがっている。その死と直面しながら、何とか生きのびる手だてをさぐる異色エッセイ
内容説明
生きのびる“知恵”を考えるエッセイほか、カンボジアに平和が戻り、再度アンコールワットへの巡礼の旅を願う異色エッセイ集。
目次
革命とアリガタバチ
ああせいこうせいお袋
継母ってなに
男と粗大ゴミ
女が働くということ
女の改姓について
原発についてのソボクな疑問
おしゃれについて
血と水
女の子の育てかたは
もっと広い世の中について
恋愛映画を見たい
私が愛するカンボジア
女どうし
むはははは五十五
カンボジアに何が起ったか
わがアメリカ
私の思いこみ健康法
中流ニンゲン
映画「黄昏」について
引退について
お見舞について
死なないで
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
71
生き延びることを語っていながらも、日常に転がっている「死」を見つめているのに驚かされます。夫婦で死について楽しく話せるのが不思議でなりませんでした。でも、それがおせいさんにとって生き延びる「知恵」を考えるために必要だったのですね。限りある命、一歩一歩慈しむように歩みたいと思わされました。2018/06/06
tm.
0
田辺さん52-55歳に「暮らしの手帖」に連載していたもの。「幸福とは私の考えによれば、とてもいいものを心に持っている人が、自分を愛してくれ、自分も相手の良さを愛していることをその人も喜んでくれている、そういう状態をさすのだと思う」充実した心の状態はそういうことなのか。維持することが難しいよね。「死者も生者も私にはほんとうのところそう変わりはあるとも思えない」「こわれがちな肉体をおだておだて上手に使うのがいいんじゃないか」「老いばかりは『いつとなく』『スーッと』老いてしまう」2020/09/15