出版社内容情報
「軍神」「烈婦」と称えられた夫婦の間に秘められた真実の姿を探りつつ、現代へと続く日本人の夫婦のありようを問う長篇伝記小説
内容説明
一見身勝手で不器用な明治の武人とそれに殉じた妻。「軍神」「烈婦」とたたえられた一組の夫婦の間に交錯した夫婦の愛憎を描き、秘められた真実の声を探る。巷間伝えられるように、妻静子は従容として死に就いたのか。膨大な資料をもとに、鋭い観察眼で新たな乃木夫妻像を作り上げた渡辺伝記文学の傑作。文芸春秋読者賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリータ
8
読みやすいし伝記はいいと思いながら読んでいたが、静子が姪に渡したという「母の訓」の全文引用のあとに「だがこの一文には、いわくいいがたい男女の機微をとらえて、現在でも参考になる点は多い。とくに閨のあり方など、露出した記事が氾濫する今日、現代人が忘れてきた美徳が的確に指摘されている読み方によっては、むしろ女が技巧にすぎると思われるほど、男と女が最良の関係を持続するにはいかにすべきかという要諦の一端が、見事に記されている」という、渡辺淳一らしさが出ていてちょっと笑ってしまった。2015/01/12
金吾
7
○遠き落日のレビューをしたときに ふじさん から紹介受けた本です。乃木さんの良いところも悪いところも淡々と書いていて面白いです。乃木さんよりも夫人の方がかなり凄いと感じました。2020/04/14
秋乃みかく
0
★★★★☆ 再読。2010/12/13