出版社内容情報
剣道の快感に没入した青春の血をそのまま新選組に投じた永倉新八の一生。女には弱いが、剣をとっては近藤勇以上と噂された彼の壮快な人生をさわやかに描いた長篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミナ
9
小6の私が夏休みの宿題もせずダラダラしていたら、これで感想文を書きなさいと渡された本。一気に読んで鼻息荒く書き上げた思い出が蘇る。お陰さまで永倉新八に惚れるきっかけとなった。江戸っ子の爽やかで人情にあついとこ、ちょっとした仕草が粋なとこ好きな要素は今でも溢れていた。没後30周年だそうですので、久方ぶりに池波劇場に浸ろうかな?2020/05/06
Nak34
8
また、新撰組を読んでしまった。今回は、池波さんの永倉。一ちゃんと同じく生き延びたのね。まあ、司馬さんの土方やあさやんの輪違屋などと、共に、切ないね。しかし、ここから這い上がれるかね。這い上がらんと。2017/03/28
カ
7
新撰組副長助勤・永倉新八の生涯。池田屋騒動の一場面、永倉が藤堂を助ける、その後わだかまりがとけ友人になる。人間の感情なんてそんなものだ。いい話だ。2014/01/28
ともぞう☆
5
にわか新選組です。池田屋事件くらいしか知らなかったのですが、解散までの歴史を知ることができました。ますます新選組に興味が沸きました。2023/11/15
紫
4
新選組二番隊永倉新八の生涯を池波正太郎先生が描く伝記小説。江戸屋敷の門番にウ〇コ入りの饅頭を食わせる場面から始まります。成長してからもこの人、本人に自覚がないだけで相当にろくでなしで、こんな主人公でいいのか……。発表は昭和三十九年だから、すでに五十七年前の小説。「金十両というと、そのころは物価も高くなっているが、まず貧乏所帯が一年は保つといわれたほどの金であるから、現在の二十五万円ほどに当たろうか」などという文章がさらっと出てきて、五十七年前は二十五万円で一年生活できたんだ!と驚きであります。星4つ。2021/02/17