出版社内容情報
バルチク艦隊を驚異的な勝利で日本海に沈めた日本であったが、アメリカにおいての講和にいたる道のりは苦渋にみちたものであった
内容説明
日本が国力を費やした日露戦争は樺太の南半分の割譲を始めとするさまざまな権益を得て終結したが多大な犠牲を払ったのに比べて、得たものがあまりに少ないという不満を国民が持ち、暴動まで発生するにいたった。―これ以後の日本の進路に大きな影響を与えた戦争のすべてを独自の視点で描いた大作完結篇。
目次
ルーズベルトの変心
ポーツマスの憂鬱
談判か戦争継続か
屈辱の講和
和議の代償
反講和気運
日比谷焼打事件
秋晴れの調印式
小村全権病む
歓呼なき帰国
戦いすんで
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
めっかち
2
一冊約五〇〇頁で全八巻の超大作、堂々完結! 講和交渉は、日本側が賠償金と北樺太を放棄することで決着する。露国側全権は歓喜し、米国世論の多数派もそう見ていたようだが、モリソン支局長の冷静な評価が妥当であったろう。然し、そんな冷静な評価を当時の日本国民は理解できる訳もなく、日比谷焼打事件が発生する。国民新聞は襲撃され、伝道師の軽率な説教が原因で派出所や電車のみならず教会も焼かれる。とはいえ、陸海軍は凱旋し、ここに日露戦争は幕を下ろす。本書を通読したが、令和の今日でも十分読むに値する良書だと思った。2025/03/31
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