出版社内容情報
昭和十六年十二月、真珠湾。日米悲運の幕明けまでの緊迫した日々。彼我政府が交換した息づまる一挙手一投足を緻密に再構成する力篇
内容説明
昭和15年秋、日米関係は最悪の季節をむかえた。一億一人の国内新体制のもとに北部仏印進駐、三国同盟締結等が次々なされてゆく。米国の反応は厳しい。対日輸出禁止、渡航制限など。やがて海軍大将野村吉三郎が新大使として赴任する。…理解の拒否、善意の拒絶、強圧と屈服。それは“交渉”という名に価するものであったのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
20
詳細に書いています。メインかな?と思う部分にもかなり力を割いています。日米どっちもどっちと感じます。2025/04/11
nobody
7
これは相当酷い本である。東大卒者の著書なら一定の品質保証と看做せるものだが、本書はそれさえ損なわしめる。昭和天皇の事績を読もうとして100頁以上に渡って熊沢天皇のことが書いてあったらどう評価するだろうか。それがこの本である。神父や井川忠雄らの「まことに非合理かつ非現実的な」工作が延々と描かれる。信用の核がなく突っ込み所の上に叙述が浮かんでいるようなものだが、例えばその「日米諒解案」においては陸軍が撤兵を譲歩していたという。事実は軍部が撤兵を認めたことは一度もない(だから本書が正しければ新説である)。唯一の2022/09/08