内容説明
ベルトとズボンの歴史的背景に思いを馳せ、テニスのラヴとloveの関係を研究する。また、グレタ・ガルボの足の大きさについて考えたり、夏目漱石の原稿をもらった編集者は何と言ってほめただろうかを推察。さらに、日本美を「単純美」と「ゴチヤゴチヤ美」に分けて論じてみたり、どこにでも食指を動かす知的好奇心。
目次
ベルトの研究
男のスカート
冬のアイス・クリーム
絵を買ふ
提案三つ
批評の必要
驢馬の耳
ある日のこと
あの大阪の運転手
ガルボ伝説〔ほか〕
著者等紹介
丸谷才一[マルヤサイイチ]
大正14(1925)年、山形県鶴岡に生れる。昭和25年、東京大学文学部英文科卒業。43年、「年の残り」で第59回芥川賞受賞。60年、評論「忠臣蔵とは何か」で第38回野間文芸賞受賞
和田誠[ワダマコト]
昭和11(1936)年生れ。多摩美術大学卒業。イラストレーション、グラフィック・デザインの他、エッセイスト、映画監督などとしても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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小梅
72
和田誠さんの絵と旧仮名遣いの言葉のリズムが良いですね〜 特に「あの大阪の運転手」が楽しかっです。時折、ふふふ…そうでせうね。などと心の中でブツブツ呟いてました(#^.^#)2015/05/02
佐島楓
15
丸谷先生のご本はタイトルのつけ方からして素晴らしい。旧仮名遣いをずっと続けていらっしゃるこだわりも見習うべきだと思っているし、エッセイが可笑しくって味があって・・・うう、こんな文章いくつになっても書けない。2011/08/15
マーンムート
10
旧仮名使い嫌い、ルビは沢山ふってあればあるほどよいという、いい年してゆとり丸出しな自分ですが、才谷さんの美風で軽やかな文章を読んでいると、これも悪くないなという気分になってきます。さりげないようで鋭い視点に、何度も『うんうん、そうでせうね』と旧仮名使いで相づちをうってしまいました。ユーモアと知性あふれる文章は、読んで楽しく、心の滋養です。2011/12/08
Akito Yoshiue
9
連載をまとめたものなので仕方がないが、もっともっと読みたくなる。2016/06/07
魔魔男爵
8
名分引用:「批評はやはりあるほうがいい。たとへ優秀でない批評家の評論でも、まつたくないよりはずつとましなのである」:好きな作家の話題は、谷沢永一、半藤一利、E・H・ゴンブリッチがあって満足。理系ネタは雪の博士中谷宇吉郎のみ。正確には弟の作家の方がメインネタだが、理系ネタ0に遭遇したら丸谷卒業すると宣言してるので、一応理系ネタあったということでw。2017/06/13