出版社内容情報
ほかにR・ブロック、C・ボーモント、J・G・バラードら、奇想短篇の名手を大物、中堅、新進気鋭と取りそろえた傑作ばかり13篇
内容説明
官能と怪奇の饗宴につどった古今のホラーの名手13人。コナン・ドイル、A・マッケンから、ブラッドベリ、R・ブロック、H・エリスン、J・G・バラードと、いずれ劣らぬ才能が、読者の秘めた欲望のベールをはぎ、恐怖の楔を脳髄に打ちこむ。窮極の快楽と純粋な戦慄の叫びがこだまするダーク・カーニバルへと誘う傑作ホラー・アンソロジー登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
22
恐怖とエロスのアンソロジー。はるか昔に既読だったのだけど、ブラッドベリ以外は覚えておらず、リサ・タトルの名前に気づいて再読したのでした。肝心のタトルの作品は、フェミニズム的に深読みできそうな血みどろもので面白かった。それ以外では、サラ・スミス「赤い嵐に襲われて」が直球の吸血鬼ものなんだけど、どこかハーレクイン的なロマンス性もあって印象に残りました。2018/11/28
かめた
22
エロスをうたってはいますが、そんなにどぎつくないので安心して読めます。ブラッドベリ、マッケン、バラード、など有名どころがズラリ。全部面白かったけど、好きなのはバラードの「妄想のとりこ」とドイルの「寄生体」。自分で自分をコントロール出来なくなることほど怖いことはありませんね(笑)2018/11/04
sin
20
どの短編も他のアンソロジーで読んでいたらエロスは感じない、というかそれは前作にもいえる事だが少なくともエロスを主題にした物語は少なかった。たまたまホラーにエロスがスパイスとして加味されたものという感じ、この巻は特に編者の意図が前書きによって押し付けられた感じで、ちょうど巻末の「寄生体」のよう、どこの国でも柳の下の泥鰌ということか2013/10/13
更紗蝦
16
直接的なホラー描写やエロ描写のある作品はごく一部で、ほとんどは「匂わせている」というレベルです。そこはかとなく怖い(orエロい)話を読みたい人におすすめです。2012/12/12
メルコ
11
官能と怪奇を描いた13の中短編を集めたアンソロジー。ブラッドベリ、H・エリスン、J・G・バラード、R・ブロックといった面々の選りすぐりの作品が収録されている。なかでも19世紀後半の「寄生体」(コナン・ドイル)が強い印象を残す。地位ある男が催眠術師の女に思うままにされていくのを、しっかりした筆で追っていく。人間の底知れぬ闇を描いていて恐ろしい。どれも恐怖とエロスが入り混ざったものばかりで、ラストに捻りが効いている。2021/10/29