出版社内容情報
ヴェトナムでの罪を糾弾され、みずから軍事裁判を求めて記憶の空白にさかのぼる退役軍人。戦場の"薮の中"を追究するサスペンス
内容説明
「きみの名前が出ている」隣人に示された一冊の本、ヴェトナム戦時の米軍の残虐行為をあばくものだった。このときから元陸軍中尉ベン・タイスンの戦後生活は音立てて崩れた。マスコミ、近隣の白い眼。しかし、真実は固く胸に秘さねばならぬ。なぜなら、掩蔽壕の闇のなかでなされた“誓約”が彼に“名誉の沈黙”を強いるからだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@80.7
49
やっと上巻読了。ベトナム戦争時、ユエで何があったのか?民間の病院で起きた殺戮事件が20年も経ってあばかれるのか。民間企業に勤めているベンは当時部隊将校だったが真実は語らない。命令により軍に復帰させられたベンを待つのは軍法会議なのだ。裁かれるべき事がどうして起きたのか下巻へ続く。2022/05/10
Tetchy
2
上下巻合わせて1,040ページあまり。しかも各ページには文字がぎっしりでほとんど隙間が無い。とにかく長い。ただデミルの素晴らしい所は、単にベトナム戦争の悲劇の犠牲者としての主人公を決して読者におもねるような聖人君子に描かず、愚痴もいい、素行もそれほど正しくなく、しかも軍隊に復員した時はだらしの無い格好で軍人の反感を買う、つまりみんなの周りにいる誰かとして描いているところだ。この手法が重苦しいテーマを読み易くしているのだろう。2009/08/22
H.Sato
1
このミス1989年版海外編第6位。 初ネルソン・デミルか。 上下巻1000ページ越えのボリュームにビビりながら読み始める。が、どんどん読めて面白い。ヴェトナムで何があったのか。下巻が楽しみだ。 A2023/06/06
じゃみらこわい
1
デミルの作品では一番私の好み
frog
1
下巻でまとめる。2010/06/18