文春文庫<br> 心の航海図

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文春文庫
心の航海図

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167120191
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

日々の慌しい時間の中で、揺れ動く心の羅針盤。行方さだまらぬ今だからこそ、何か確かなものを見つめたい…。足元を見直すヒント

内容説明

社会がはげしく揺れ動き、「正しさ」の羅針盤が定まらぬ今。そんなときだからこそ、信じられるものを見つけたい。社会や人間のあるべき姿を見つめたい…。四季のうつろいから、マスコミ、暴力、医療、宗教の問題まで、折々の出来事に触れて紡ぎだされた様々な思い、願い、祈り。足元を見つめ直すためのヒントに満ちた随想集。

目次

深夜の読書
一匹のメダカ
花房山の一年
ひとり酒の夜
再生の日
プロの強さ
台北の十二月
英雄待望に疑問
ルーアンの思い出
挿絵について〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

89
社会や人間のあるべき姿を見つめ直すためのヒントが詰まっている随筆集でした。揺れ動く社会、何が正しいか定まらない時代に政治、医療、宗教などの出来事に触れることで、想いや祈りが伝わってくるようです。今でも問題視されていることが多いので、共感できることも多々ありました。このような問題を常に見続けることが、日々の生活の上で必要なのかもしれません。2016/11/02

kinkin

35
もう知る人も少なくなったと思われる戦中派の著者。亡くなった父もよく言っていたのは青春時代の一番楽しかったはずの年頃に戦争があった、この戦争がなかったら今頃どんなにか活躍した人が大勢いただろうと。どの随筆も短いものばかりだが当時の人らしく食べ物のことや無駄遣いということにたいしてとても敏感だ。飽食の時代の今、同じように思う人はどんどん少なくなっているのは確かだろう。2015/06/07

桜もち 太郎

11
エッセイは作家の力量が問われると思います。時が経てば色あせてしまう作品とそうでない作品。改行一つとっても作家としてのこだわりが垣間見えます。生老病死の問題、人権観、歴史観、宇宙とは・・。幅広い知識と考え方がちりばめられています。「人は人を憎み、国と国とが反目し合い、増悪をもって人間の連帯を計るというのが20世紀の特徴ではないだろうか」と現代を考察しています。21世紀にすべてが当てはまる一冊でした。さすが遠藤周作です。2017/03/29

rokubrain

10
晩年、70歳の頃の随想集。 産経新聞のコラムに連載されたものが文庫化されたもの。 各テーマが3ページで完結する短いエッセイで、さくっと読めます。 時々、前発言の修正(調整?)が次のコラムにあったりして先生の心の動きも読めて面白い。 社会の出来事(大半が今もありがちで通用する)に、もの申しています。 時代のムードやファッションに流されず、自分自身が羅針盤というのが、先生の基本。 自身が信じるカトリックだって疑うところから始まるのが作家、遠藤周作だからね。 2017/05/25

ken

6
新聞に連載された随筆ということで、90年代初頭の時事ネタが多い印象。それでも内容は多岐に渡っていて、医療、宗教、深層心理、人生、そして文学と、彼ならではのテーマも満遍なく語られる。ただ、新聞連載ということもあってか踏み込んだ議論がないのが残念。それでもひとたび「人生」を語り出せば、じんわりと心に染みる随筆となる。遠藤周作の文体は平易で衒いのない素直なもののに、妙な格調というか、貫禄というか、オーラを感じるのが不思議だと常々思う。2018/07/06

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