出版社内容情報
明治24年の函館、街の平穏を守るべく、日夜奔走する刑事たちの活躍。激賞を博した明治警察物語『函館水上警察』の続編が待望の文庫化。文庫オリジナル短編を収録。
内容説明
明治二十四年、函館水上警察署の五条文也警部は、見慣れぬ毛皮のコート姿の美貌の女に目を奪われた。彼女の切ない過去と謎を描く「ウラジオストクから来た女」、英露両国の対立が一触即発の状態にまで発展する函館港の危機「聖アンドレイ十字 招かれざる旗」などの四編に加え、文庫オリジナル短編を収録。函館の平穏を守るべく、日夜奔走する刑事たちを活写する、明治警察物語。
著者等紹介
高城高[コウジョウコウ]
1935年北海道函館市生まれ。東北大学文学部在学中の1955年、「X橋付近」でデビュー。卒業後は北海道新聞社に勤めながら執筆を続けたが、やがて沈黙。2006年『X橋付近 高城高ハードボイルド傑作選』で復活(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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moonanddai
2
文庫版のみの短編を読むために再読。よかった、あの「荒涼感」…。函館水上警察シリーズは、(かつて住んだ)函館の明治期の雰囲気を感じられ(水上警察(今の西署)、函館病院(跡)、(旧)イギリス領事館、五島軒などなど)、それはそれで楽しめるのですが、初期作品で舞台となった釧路湿原の不気味さといった「最果て感」が今ひとつ無かった…。そこに今回「嵐と霧の…」という事件の舞台を設定し、北の海の荒々しさの中で緊張感が高まり、その高まった中でふっと終わる…、という味付けができ、このシリーズが引き締まった気がします。2014/02/13
nekomatadesu
1
待っていた文庫化。 オリジナル短編が最後ではなく、途中に挟まれていた。 題名が変わったのがちょっと気になっていたら、こう来たか。 最後の短編の題名を表題にする理由は分かった。 署長の言葉と態度しか決め手はないけれども、 完結編とあるし、ちょっと残念だな。2013/04/28
あらあらら
0
明治ってこんな感じなのかな。何となくカラーではなく白黒のイメージで読んでました。2016/03/13
のがわ
0
明治の国際貿易港を舞台に、警察小説というよりも異色時代小説の趣が強い函館水上警察シリーズの2作目。前作も含めて全作品が一年ほどいう作品内時間には驚く、それだけ流れの早い時代だったということか。書き下ろし作品では海難審判の形式を借りて安楽椅子推理的なおもしろさも。2014/05/23
にやり2世
0
明治って重さと明るさがある時代だと思ってる。何かが変わろうとしてるというか。この終わりはガビーンとなった。2014/10/19