内容説明
結婚五年目から夫は私を抱けなくなった。「あんたが泉だとすれば、ぼくはよどんだ水だ」―横溢する生命力を持て余し、心の昏い空洞を抱えて奔放な性を繰り返す萌子。病院に隔離されても、誇り高く汚辱に染まらぬ無垢な魂で、官能の先へと手を伸ばし続ける姿を鮮烈に描いた「瀬戸内晴美」時代の名作、待望の復刊。
著者等紹介
瀬戸内寂聴[セトウチジャクチョウ]
1922年、徳島生まれ。東京女子大学卒。61年「田村俊子」で田村俊子賞、63年「夏の終り」で女流文学賞を受賞。73年11月14日平泉中尊寺で得度。法名、寂聴。92年「花に問え」で谷崎潤一郎賞、96年「白道」で芸術選奨文部大臣賞、2001年「場所」で野間文芸賞を受賞する。06年、文化勲章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
84
全体から香り立つ官能の香り。生きる為に自らの欲に従順で奔放な性を繰り返す萌子。心の昏い空洞を性で埋めていくようでした。色気と官能が性と生という切り離せない関係で結びついているのを感じます。無垢な魂で性に溺れ、官能の先にあるものに手を伸ばし続ける萌子。それは自分を愛するという姿だったのかもしれません。2016/03/21
バーベナ
2
三大欲といういうが、もっぱら食欲に夢中なので、こんなに性のことを考えたことがなかった。そのためか、読むのに時間がかかった。理解できているかと言うと、まだまだ・・・。こんなんでいいのか自分?!2011/02/10
バーベナ
1
13年前に読んでた(ほぼ理解できてなかった)!ありがとう読書メーター。生と性。性への執着って個人差が大きいし、誰と出会うかにもよるし。突然変異もあるし。ラストの女友達との会話、とても好きだわ。盲目だったのね。2024/06/21
星辺気楽
0
いろいろキワドイところがあり、官能小説との違いがよく分かりませんでした。ただ、「人を愛し、人から愛される」ということの大きな部分にはやはり性=生は切り離せないのかなと思いました。2015/09/25
JUN
0
最初はかなり読みにくい印象の小説だった。なんか、描写にしても、かなり懲りすぎていて、あまり伝わって来ない印象。逆に途中からは、少し分かり易くなって、読めたが、前半がかなりまどろっこしくて、読んでいてつまらなく、苦痛な感じだった。彼女のエッセイはかなり面白いが、彼女の小説は、自分には合わないのか?2012/10/18
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