出版社内容情報
この長篇は著者の精神的故郷である仙台を舞台に妄想ばかりしていた少年時代をもつ男の思想的半自叙伝をすべての権威を相対化してしまうパロディ意識でつらぬいた愉快な青春小説。解・長部日出雄
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
背番号10@せばてん。
30
1986年5月21日読了。おじさんだって、たまにはこういう本を。ちなみに74年のドラマ主演は、森田健作(前千葉県知事、当時25歳)。(2022年7月5日入力)1986/05/21
ぶんぶん
11
【再読】ずいぶん昔に読んだ、単行本で初出だから、ずいぶん前だ…懐かしく、古本屋で思わず手に取った。 話は東北の高校生の抱腹絶倒のユーモア小説。 しかし、デビュー作でこの完成度、流石に井上ひさしである。 ユーモアの中にペーソス溢れる青春が活写されている。 いろいろなアンチテーゼが盛り込まれているのだろう、しかし、ただ単純にドラマを楽しみたい、これは井上版・「坊っちゃん」だ。 ふと、時代が遡った感じがした…懐かしいなぁ♪2015/03/15
カモノハシZOO
4
60年前の男尊女卑には違和感があった、あまり共感は持てなかった、歴史的高校賛歌と考えよう。2019/05/05
くっきー
3
なんだか、これぞ男子!って感じでした。東北一を誇る名門校の劣等生グループに東京の名門校・日比谷高校から転校生がやってきて、いろんな珍騒動を巻き起こします。今も昔も変わらないな〜なんて思うけど、私はいちおう女子なので実際のところはわかりませんが…。2011/07/28
fumi
3
思春期男子リビドー小説の元祖、という認識で間違いないかしら。なんて確認を取るまでもなく、私の中ではその位置に決まった。井上ひさしは抜群にキャラ造形が巧く、しかもそのキャラの振る舞いは純然たる駒のそれなのだと、彼の「笑い」に裏打ちされる冷徹さを少し思う。そうは言っても笑っちゃうのだが。2009/08/14